サヴァン・コンプ・シンドローム【落花/大家族/時刻表】

サヴァンになりたい人生だった。

なんでもそつなくこなせてきた俺だったが、絶対的な才能というものに恵まれなかった。

目をつけたのは電車の時刻表だ。

東京メトロ全路線の時刻表を全て暗記する。さも一瞥すれば記憶できるかのように振る舞うのだ。

他の路線は覚えてなくても、妙な一部しか覚えられないってところが逆にサヴァンぽくていい。

「私も一緒」

大学の食堂でとてつもない美人に声をかけられた。

"同じ人"にずっと会いたかったの!

彼女は正真正銘のサヴァンだった。

彼女の能力は、視界の中で落ちている桜の花びらの枚数が一瞬で分かってしまうというものだった。

春は頭に5桁の数字が浮かび続けて地獄だとか。

すっかり気に入られた俺は彼女と付き合うことになる。

連載2週目で実家イベントだ。

私みたいな人って家族しかいなかったから、家族もきっと喜ぶよ!

彼女の実家は大家族で全員サヴァン!


へぇ、ご家族はどんなことができるの?

全員、人の嘘が分かるの!

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