第14話 ステータス表示
さて、これで能力が増幅されたはずだけど、どうやって確かめるのかな?
そう思っていた矢先、目の前の宙空にゲームのステータスみたいな表示が出現した。
え、なにこれ?
私の名前や年齢、所持している能力や能力の効果などが表示されている。
周囲の人には見えていない感じだ。
私が歩くと表示も勝手に進む。
止まると表示も止まる。
明らかに人智を超えた現象だ。
思い出した。
そういえば、あの胡散臭い主催者がステータスのこと説明してた気がする。
あの時は急に胡散臭い奴が現れて急に色んなこと言われたから、ちゃんと頭に入っていなかった。
まあいいや。
それで、能力はどう変わったんだろう。
『レベルアップ!』
『射程・300m⇨301m』
やっぱり、射程が伸びてる。
でもたった1mかぁ…。
そうなると、
100人殺して100m。
1000人殺してやっと1km。
1万人で10km。
10万人で100km。
100万人で1000km。
1000万人で10000km。
確か地球の直径が12742kmだから、1300万人くらい殺せば世界中が射程に収まる。
達成不可能な数字じゃないな。
国内だけでもいけそうと考えると良心的とすら言える。
私が勝つためならこのくらい犠牲は些細なことでしょう。
私以外の奴が神になんかなったら、この世の地獄が始まるんだから。
殺る時は一気に殺った方がいいのかな。善人とか悪人とか選んでる場合じゃないかもしれない。
能力者の中には、海外からでも攻撃ができる超長距離射程の奴がいる。
あんまりもたもたして、そいつに位置を突き止められたら終わりだ。
人口密度の高い地域を高速で駆け抜けて一気に射程を伸ばすか。
それとも、まずは慎重に少しずつ射程を伸ばしていくか。
実を言うと、リッパーのやり方はそんなに嫌いじゃない。ただ、神を目指す私にとって社会悪なんてものは小さ過ぎていちいち粛清するのが面倒なだけだ。
悪と言うなら、弱肉強食の摂理そのものが悪だと私は思っている。
だから人間の倫理観で言うところの悪なんて、いくら裁いてもキリがない。
とはいえ、能力の検証と最低限のレベルアップはしておくべきだ。
軽い練習がてら、私も社会悪を粛清してみようかな。
殺さないとレベルアップにならないから、ちょっと厳しめにする必要はあるけど、世の中には死んだ方がいい奴なんていくらでもいるから問題ないでしょう。
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