神になるために

第12話 奪われた能力


やっぱり、この男は何も知らなかったみたいだ。


そうでなければ、突然訪ねてきた知らない女に無警戒で背を向けるなんてありえない。


最強の能力をもらえた代わりに情報は何ももらえなかったってことね。


逆に私の能力は、おそらく最弱。

その代わり能力者たちの情報をいっぱいもらえた。


おかげで、誰よりも早くこの男を見つけ出すことができた。


『能力者を殺すことで能力を奪うことができる』


あの話が本当なら、私にもリッパーの能力が使えるようになってるはず。


試しに、足元に倒れている男の首を切断してみる。


破砕用のハンマーで脳漿が飛び出るまで頭蓋骨を砕いたから確実に死んでるはずだけど、なんとなく不安だから試し切りに使わせてもらった。


噴水のように大量の血を吹き出しながら、生首が転がった。


いける。

これで今まで使いものにならなかった私の能力を存分に生かせる。

ただでさえ強いリッパーの能力を増幅させることができる。


そのためには関係のない人たちを大勢殺すことになるけど、私が神になったらみんな作り直してあげるから別にいいよね。


そう、私はこの戦いに勝って神になる。


神になって、このふざけた世界を作り直してやる。

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