第9話 芸術家になろう②


他の能力者たち(いるかいないかも分からないが)に動きがないか様子見をしつつ、芸術家として稼いでいくことにした俺だが、問題は何を作るかだ。


まず、既に存在している物を作っても意味がない。


有名な彫像などのミニチュアは、いくらでも出回っている。建築物や乗り物、動物や恐竜なども同様。

アニメのキャラやロボットを作れば売れそうだが版権問題がある。


今の日本じゃ、あらゆるものがミニチュア化されてるからな。今さら俺が何を作ったところでオリジナリティがない。


まあ精度の高さでは俺の方が上だろうから、そこで勝負するという手もあるが、それだけではインパクトに欠ける。

かといってあまり大きなものを作るわけにはいかないし…。


自分の頭だけで考えていても埒が明かないので、芸術品について色々と調べてみた。


その中で俺が注目したのが極小アートだった。


既存の極小アートもすごいけど、俺の能力ならもっと高い精度でもっと小さな物を作れる。


そう、小さいことはインパクトなのだ。ありきたりな物でも、超絶小さければありきたりでなくなるのだ。


いける。

これはいけるぞ。


極小アートの分野で、俺は世界を獲る!




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