第349話 協力依頼
クレハに香水の件を頼まれ、ルークは初めにノイマンの元を訪れていた。
「お久しぶりです、ノイマンさん!」
「おや、これはこれは、お久しぶりです、ルークさん。本日はおひとりですか?」
「そうなんです、実はオーナーから頼まれごとをしていまして・・・。」
ルークが今回の香水を作ることになった経緯をノイマンに説明すると彼は快く、お願いを聞いてくれた。
「私にできることなら、ぜひとも協力させてください。酒蔵に頼んで必要なものを取り寄せましょう。」
「ありがとうございます!」
ノイマンの協力も得られ、次はポティリ男爵だ。もちろん、彼女ともルークは面識があり、面会を求めるとすぐに会うことができた。
「おう、久しぶりだな、ルーク。」
「お久しぶりです、ポティリ男爵。」
「それで、今回はどうしたんだ?」
ノイマンの時と同様にポティリ男爵にも今回の一件を話すと彼女は途端に不機嫌な顔になる。
「あぁ、あのホルイン家か。あいつらビオミカ男爵にも手を出したのか。ざまぁねぇな。」
「あれ、ホルイン家のことをご存じだったんですか?」
「実は過去に、うちに香水の瓶を作れって言ってきたことがあったんだよ。」
「えっ、そうだったんですか。それは・・・。」
過去にホルイン家からの依頼の話をし、明らかに不機嫌になり出したポティリ男爵を目にし、ルークは不安げになる。そんな彼の反応を察したのかポティリ男爵の顔は瞬く間に柔らかいものとなる。
「勘違いしないでくれ、別に香水の瓶を作る依頼が嫌だったわけではないんだ。あの野郎、タダ同然の価格で瓶を作れって言ってきたんだよ。
我がホルイン家の香水瓶を作れるなんて名誉なことだってよ、冗談じゃない。奴ら、瓶を安く作らせてその分をピンハネするつもりだったんだろうな。
そんな奴らの仕事なんて誰が引き受けるか。でも、ビオミカ男爵ならそんなことはないしな。ぜひ、引き受けさせてもらおう!」
「あ、ありがとうございます。はぁ、引き受けてもらってよかったです。」
なんとかポティリ男爵に依頼を引き受けてもらいルークが安心しているとポティリ男爵は笑いながら楽しげな顔をする。
「何言っているんだ、こっちだって仕事をもらえて感謝しているんだ。それに、これからのホルイン家が楽しみだぜ、うちにあんな偉そうな態度をとりやがって、うちが男爵家だからってなめているんだよ。ぜひとも、これからよろしく頼むぜ!」
こうして、ノイマン同様、ポティリ男爵もクレハの香水製作に協力を行うのであった。無事に、二人からの協力も得ることができ、ルークは事前に用意していた香水の香りとなる果実や花を用いて早速、香水作りを始めるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます