嫌いだ

泣き虫は嫌いだった

私は泣くのが嫌いだ

負けた気がするから


だから、泣き虫なあいつは

一番嫌いだった


でも

あいつは負け犬ではなかった

あいつは泣きながらでも

立ち向かった


本当に負け犬なのは

泣きを恐れ

後ろ指を指されることに

怯えて逃げ出した

自分だった


・・・・・・・・・・・・


せわしなく過ごしている俺は

とにかく毎日不満だらけで

何かに飲み込まれそうで焦って

イライラしていた


隣の席のアイツは俺とは対照的に

お気楽な感じでいつも

ニコニコと笑ってやがる


何が面白いんだか

おかしいんだかは知らないが

とにかくハッピーなオーラが漂っていた


ある日むしゃくしゃした俺が

おいオマエ

なんでいっつもヘラヘラしてんだよ

と机のあしを蹴った

そしたらアイツは笑った


俺は怖くなって

つい笑って誤魔化した


席替えをした

アイツを見たら今日もニコニコしてやがる

マジで笑える

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