第80話 三郎の帰宅:2024年1月

(佐々波三郎が自宅に帰る)

2024年1月。東京。佐々波家の寝室。


9時過ぎに、三郎は、自宅に戻った。1年ぶりの帰宅ということで、杉川社長は、会食を早めに、切り上げたのである。

「すいぶん、ひどいインフレになったみたいだけれど、生活は、大丈夫かい」

「ええ。私は、お誘いがあって、アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社の立ち上げの時に、株主になったの」

「アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社って、このご時世に、株価が上がり続けているっていう、あの会社かい」

「そうよ。別に、株で儲けるつもりではなかったのよ。設立趣旨に賛同して、社会貢献をしたいと思ったの。

でも、半年もたたないうちに、信じられないくらい大きな会社になったわ。

それから、私は、アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社と縁があって、先月の国会議員選挙に当選したわ。だから、今月からは、国会議員もやらなくちゃならないの。とは言っても、登庁するのは、議会が公開されないときだけで、9割はうちから、ネット会議で参加するから、あなたには、あまり迷惑はかからないと思うけど」

三郎の目がまるくなった。

「アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社はずいぶん話によく出てくるので、誰かに聞こうかと思っていたんだ。

これからは、アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社のことは国会議員の君に聞けばいいんだね」

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