8ミリ、9ナイフ。

とりをとこ

あの屋上で歌を歌う少女。

数時間後。

公衆便所で乳房を掻っ捌かれて息絶えていた。

時たま見かける、商店街の少女。

1時間後。

四肢をばらばらに分解されて冷凍庫で震えてた。

近所に住む幼馴染の少女。

ついさっき。

頭の原型を留めないくらいに、刻んで、たべた。

僕の目はカメラだ。

それを8ミリに焼き付けた。

面白い映画を作りたいからやったんだ。

合計9人。

9つのナイフで、そのグロテスクなドキュメントを撮影した。

8ミリ、9ナイフ。

8ミリ、9ナイフ。

8ミリ、9ナイフ。

8ミリ、9ナイフ、です。

本物を見たいと彼女は言った。

本物を見せるために9つのナイフには別々のDNAが付着している。

10本目は要らないんだ。

純潔の9本を僕の身体にグサグサ刺すことでこの作品は完成する。

8ミリ、9ナイフ、です。

ぜひご覧になられている皆々様。

お楽しみください、ここが見せ場なんです。

8ミリ、9ナイフ。

名前だけでも覚えて帰ってくださいね。

8ミリ、9ナイフ、1ボディ。

9本のナイフは僕の五臓と六腑を切り裂き抉る。

カメラに収めないといけないから痛みに耐えながら本物を映すんです。

ボディの解体、このシーン、そう、このシーンが本物の映画の見せ場なのです。

僕の身体がディティールが違う美しい9本のナイフで裂かれていく様が見せ場なんです。

だから見てくれ、その目で!さぁ!さぁ!yes!yes!

フーーー、、幕があがるみたいだぞー!

フーーー。

フーーー。

フーーー。

呼吸がどんなに肺に空気を満たそうとしても彼の呼吸感は満たされることがなかった。

穴の空いた風船は空を飛べないから。

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