歴史改変

未来の母子と守衛室で面談するなど奇天烈にもほどがある。

とりあえず今日の実験は中止になった。学び教えるという理由から逃れたくて民間に来た。

ここは応用研究ありきだ。素材を好きに弄れる。理由は後付けでいい。なのに親子関係という理由が発生した。島崎は頭を抱える。


「お父さんのせいで未来が変化するの!そうしたら貴方は『実は愛娘だった妻』が待つ未来を見る。そんな状況。この中の誰にも信じられないわ。だけど、『あの人』が本当は女だってことを見せてあげる」


明日香は島崎の人生が干渉を受けているという。

そして鬱の娘を養育する未来を聞かされて考え込む。

「何だって? 君は『あの人』の正体を知っているのか? 君の言っていることは本当なのか? 思い込みか?」

中年女性が割り込んだ。

「どうしてこの子を信じるというの?」

「いやいや。どう見たってこの子の言っている女の行動は異常だ。彼女が未来を決める人間じゃないってことを言いたいわけ?」

島崎は少女の肩を持つ。

「これは本当の話。私達はそれぞれ理由があってお父さんの結婚を阻止しに来た。ところがこうして卓を囲んでいる。だからあの人は…語弊があるけどよ。お父さんを護ろうとして私まで騙した」

「つまりが邪魔な世界線を君らごと排除するため此処誘い出した」

「そうか。その通りね。その女と戦えば未来が変わるかもしれない」、と中年女性。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る