第10章 さくらとの出会い 【10】

 白石しらいし先輩の自宅は、五色田公園から1ブロック半ほど南東に下った辺りにあるらしい。

西浦にしうらくん、今日は本当にありがとね」

「いいえ、先輩の身の安全のためなら、お安い御用ですよ」

「本当は、もうこの辺りなら、1人でも全然帰れるんだけどね」

「でしょうね。でも、せっかくなんで、最後まで送り届けさせてください。もしかしたら、明日の朝も迎えに上がるかもしれないんで」

「確かに、そうだよね。私からお願いしてるんだから」

「あの、先輩、もし……」

俺がそこまで言ったその時。

「あぁ、あそこが私の家」と白石先輩は一軒の戸建を指差した。

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