第10章 さくらとの出会い 【4】

 「そう言えば、先輩、最寄りが高空たかぞら駅だってことですけど、どの辺りに住んでるんですか?」

俺たちは、駅のホームで電車を待っていた。次の電車が来るまで、あと3分ほどある。

五色田ごしきだ町って、分かる?」

「あー、高空駅前の商店街より向こうの地域ですね。俺は明神みょうじん町です。」

「あれ? 意外と近い?」

「っぽいですね。先輩、ご自宅はどの辺です?」

俺はスマホのマップアプリを起動して、白石先輩に見せた。

「五色田公園の辺り。……この辺」と先輩は、五色田公園の南側のエリアを指差した。

「そうなんですか、俺……」

 その時、賑やかなジングルと共に、「まもなく電車が到着する」という構内アナウンスが流れた。

「西浦くん、電車が来るって。」

「……先輩、続きは乗ってから話ましょう。」

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