LV2からはじまる大冒険!【ソード・ワールド2.5リプレイ】
くま猫
第一話:プロローグ
GM:さて、みなさんキャラクターの準備はよろしいでしょうか? それでは、いよいよセッションを開始します。
一同:よろしくお願いします!
GM:(マイクの音量を微調整し、少し落ち着いた、それでいて期待に満ちたトーンで語り始める)――ここは、剣と魔法が息づく世界ラクシア。君たちがこれから冒険を繰り広げるのは、その最大の大陸アルフレイムに存在する、とある都市国家です。
その名は、迷宮王国グランゼール。
わずか50年前に発見された、魔剣の眠る大迷宮。ただその攻略のためだけに築かれた、冒険者たちの、冒険者たちによる、冒険者たちのための都。歴史はまだ浅く、それゆえに街の隅々まで、未完成の活気と荒々しい熱気が満ち溢れています。
石畳の道を、屈強なドワーフの戦士がエール樽を担いで闊歩し、その横を優雅なエルフの魔術師がすり抜けていく。路地裏の酒場からは陽気な歌声が聞こえ、鍛冶場からは昼夜を問わず槌音と火花が散る。
富と栄光を求め、あるいは己の力を試すために。人間、エルフ、ドワーフ、グラスランナー……。様々な種族が「我こそは!」と大志を抱き、この街に集うのです。
君たちもまた、そんな無数の冒険者の一人です。
それでは! まだ名もなき新米冒険者たちの物語を、ここからはじめましょう。
GM:物語のスタート地点は、グランゼールに数ある冒険者ギルドの中でも、特に新米で賑わう〈挑戦者の旅立ち亭〉です。まずは、シン。君が最初にこのギルドの扉を開けます。どんな様子で入ってきますか?
プレイヤーA(シン):(少し気負った、それでいて周囲を警戒するような声で)ここが……グランゼールか。噂には聞いていたけど……すげぇな。やっぱ、俺のいた村とはケタが違いすぎる。そう呟きながら、絶えず周囲をキョロキョロと見回していますね。田舎出の青年が、大都市のスケールと人の多さに圧倒されている感じです。
これが……グランゼール。母さんが話してくれた、夢追い人たちの都……。見ていてくれ、母さん。俺はここで、あんたを捨てたあの男に……父さんに、認められるくらいでっけぇ男になってやる。という感じで、心の中でそう誓いを立てながら、目的地は決めていますめ。
そいでもって、さて、まずは腹ごしらえと情報収集だな。〈女神の微笑み亭〉みたいな一流どころはまだ早い。俺みたいな新米は、まず〈挑戦者の旅立ち亭〉だ』と独り言をこぼしつつ、ギルドの巨大な木製の扉を見上げています。
GM:おお。きっちりキャラクターに成りきってて素晴らしいですね。私も真面目に進行させていただきます。では、続けます。……シンがギルドの巨大な扉を見上げ、今は亡き母に誓いを立て、覚悟を決めたように勢いよく扉を開きます。次に、ピノ。君はどんな風にグランゼールにやってきましたか?
プレイヤーB(ピノ):(少し疲れているけれど、好奇心でキラキラした声で)ふえぇ……。つっかれたぁ。でも、ここがグランゼールだよね? って感じで、人の多さに完全に気圧されてます。うわぁ、人がいっぱいだぁ。みんな大きいなぁ! なんて言いながら、その小さな体で人混みを巧みにすり抜けていきます。
パパに言われた通り、まずはギルドを探している感じですね。うわぁ、すごい人……! パパとママが見送ってくれた時の寂しさも、この熱気の中じゃ忘れちゃいそう。でも、忘れちゃダメだ。あの夢が、ピノをここに導いたんだから……!
そんな決意を胸に、『まずはギルドを探すって、パパが言っていたね』と自分に言い聞かせながら、一生懸命に進みます。
GM:オーケー。ピノは〈挑戦者の旅立ち亭〉の前にたどり着くと、一度『ふーっ』と深呼吸をして、その小さな手で分不相応に大きな扉を、えいっ、と勢いよく開きます。最後に、ハル。君の登場です。
プレイヤーC(ハル):(おっとりとした、でもどこか芯の強さを感じさせる声で)馬車での旅も、けっこう疲れるものですわね。少し陸酔い気味です。産まれてから3年間、ほとんど船の上での生活だったので、揺れない地面にまだ身体が慣れてませんわ」という設定です。
……揺れない。当たり前のことなのに、なんて不思議な感覚なのでしょう。この地に根を下ろす、ということは……こういうことなのですね。ふらつく足取りを気取らせないようにしながら、育ての親である船長からもらったメモを見ています。
確か、お父様のメモによりますと、私のような駆け出しの冒険者は〈挑戦者の旅立ち亭〉が良い、そう書かれていましたわね。
GM:なるほど。(ほう、3人とも導入からしっかりロールプレイしてくれている。特にハルさんの『陸酔い』設定は面白い。これはセッション中の描写にも活かせそうだ。幸先の良いスタートだな。というか照れ隠しに変なちゃちゃが入らないのはGMとしてはありがてぇ)
プレイヤーC(ハル):(残された時間は、きっと七年ほど。迷っている暇など、一瞬たりともありませんわ。命短し、恋せよ乙女……いいえ、冒険せよ乙女、ですわね)そう小さく呟くと、ハルは静かに、しかし迷いのない足取りでギルドの扉を開きます。
GM:さて、こうして三人の冒険者は、まるで運命の糸に手繰り寄せられるかのように、〈挑戦者の旅立ち亭〉の、とある一つのテーブルに偶然にも同席することになりました。ここから、君たちの物語が始まります。
TRPGセッション、はじまりはじまり~!
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