第3話 信頼度の検証
まずはご報告を。
腕時計を購入した。
これはDPとLPの回復速度の検証と、暗闇の生活だから時間感覚がわからんってとこだ。
てかさっきは目が慣れてきたのかなーとか思っていたがどうやら違うようだ。
壁が薄く光ってる。
よくよく見るとコケっぽいのが微弱だが、発光しているようだ。
このコケっぽいのを、光コケと命名しよう。
命名でモンスター達も名前つけようかとも思ったが、止めておいた。
愛着わいたモンスターが死んだり生け贄になったりしたら泣ける。
なので、信頼度をあげてみようと思う。
信頼度をあげるなら方向性としては、それぞれに合いそうな方法をためしてみよう。
ゴブリンには水、桶、布を。
スライムには水槽、水を。
犬には餌(骨)を。
って所から始めよう。
ゴブリンは汚れてるから身体を拭いてね。って事で、スライムは水好きかなと水に浮かべて、犬は餌づけだ。
結果としては、ゴブリンは渋々体拭いてて、スライムはプカプカ浮いてて、犬は骨かじってる。
ゴブリンは嫌そう。スライム、と犬は嬉しそうだ。
信頼度もゴブリンが29に。スライム、犬は31になった。
「………」
よし。
なんかイラっとした。
まずは、信頼度を上げる事よりも、ゴブリンの信頼度を下げてみようと思う。
身体を吹き終わったゴブリンを呼ぶ。
マジきもい。
それ以上は寄ってほしくないが続けよう。
「腕立て伏せはできるか?」
「グギャグギャャ」
や。だから分からんて。
「一度見本を見せてやるから、同じようにやってみろ」
「グギャ」
実際に腕立てをやってみせる。
10回やって疲れてきたので、そこで止めた。
ズルなしの腕立てをやる。
顎を床ギリギリまでつける、一番大変なやつだ。
「掛け声を掛ける事に一度やるように」
「グギャ」
ホントなーんとなくだが、多分グギャってはい。とかYES。じゃね?
まーいいが、限界までやってみよう。
「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15…15…15…」
「………」
ゴブリンの手がプルプルと震えるだけで、15回目ができないようだ。
「止め。立て。次は腹筋だ」
「グギャ」
見本を見せて、ゴブリンにやらせてみる。
結構、嫌そうだ。
順調か。
その後スクワットと背筋もやらせる。
これで、ワンクールだ。
以下同じようにして、腕立て→腹筋→スクワット→背筋→腕立てに戻る。
ってのを3セットやった。
15→15→20→3。
10→10→10→2。
7→6→8→0。
ってのが彼??の成果だ。
途中からハーハー言い出すし、目がいつもは潰れてるくせに血走ってこちらを見るしで、ひいた。
信頼度が25になった。
もうちょっと、イジメてみようか。
「よし。よくぞやりぬいたな。これは筋肉トレーニングと言って肉体を強化するための用法だ。これから君は、最前線で戦う事になるだろう。少しでも生存確率を上げるよう、これからも続けるように。返事は!」
「グギャ」
ふむ。まだまだいけそうだ。
「では次に移る。次は持久力を上げるためランニングだ。この部屋を壁づたいに20週だ。はじめ!!」
「グギャ」
ゴブリンが走り出す。
筋トレ後の走り込みだ。
だいぶ、辛いのだろう。
足がもつれるし、頭が重いからかフラフラだ。
やる気を感じないので、ヤジる事にした。
「貴様の本気はその程度か!本気を出せ!もっと速くだ!!!」
「…………」
…ふむ。
≪ステータス≫を見てみよう。
名前:ゴブリン
種族:魔族
階級:汚れた、ただのゴブリン
ランク:G
LV:1 NEXT:3
HP:30/40 MP:2
ST:15→3INT:3→1DEX:5→3
MDEX:5→2AGI:5→1LUK:1→0
スキル:
信頼度:30→20
親切設計の≪ステータス≫だ。
どうやら肉体を酷使する事で、ステータスも変動するようだ。
だとすると明日になれば、 本当に肉体強化になるのだろうか??
今回の目的は、ゴブリンの信頼度を下げて命令に逆らう。もしくは反発、襲ってくるなどの検証だった。
しかし、本当にステータスが伸びるなら、ゴブリンブートキャンプで鍛えてもいいとさえ思えてしまうな。
引き続きイジメながらにするが、ここまでにして明日もステータスを確認しよう。
それとこれも気のせいかと思ったが、部屋が大きくなっている。
今では部屋の大きさが2倍ぐらいだ。
1Lから2Lだと流石に見間違えないように思う。
本当に生きた迷宮のようだ。
金庫やポンプ(これからはLP保管庫をポンプとする)をうまく隠せたり、地形でも防犯がしたい。
生きているなら要望をいえば、聞いてくれないだろうか?
できたらいいな。ぐらいのつもりで迷宮に、こんな感じにしてー!!ってお願いをしておこう。
変わってたらいいな。
だいぶゴブリンがグロッキーなので、次はスライムだ。
やはり見たいのはスキルの吸収だ。
「ゴブリン。悪いがスライムに吸収されてみてくれ。これもチームワークを高めるためだ」
「グギュア」
ん。グキュア??はいじゃないと??
「ん?嫌か?この中で一番体力があるのが君で一番強いのも君だ。みんなの手本になってくれると助かるが…」
「グギャ…」
んー?不満だがいいよって事かな?
一番強いって所に反応してたし、まんざらでもないとか??
ツンデレ??誰得??
まーいいか。
「ではスライム。ゴブリンに弱めに吸収のスキルを使って見てくれ」
スライムの身体が飛び跳ねゴブリンに覆いかぶさる。
伸縮自在なのか、引き伸ばさせていて全身をベールで包むかのようだ。
少し発光?して、もぞもぞ動きながら、元の位置に戻る。
ホントに一瞬だったから、わからなかったが、今のがスキルか。
実際に見た感じだと、吸収と言うよりは食事のようだった。
同じと言えば同じなのか???
そして接触が、ポイントか。
某ゲームのドレ○ンではないと。
遠くからそんな魔法を使えるやつが、ランクGのモンスターなわけないか。
あっ。ゴブリン死にそうになってんじゃん。
HP3とかやばくね??
スキルに夢中で忘れてた。
そーいえば、なんか頭から倒れてたっけ。
さっきの筋トレで弱体化してたから、スキルは効きすぎたと。
仕方なし。
死んでも勿体ないし、ポーションやるよ。
俺もそこまで鬼じゃないしな。
俺の生命力だから大切にしろよ。
さっきフラスコに入れた液体をゴブリンに飲ませる。
ゴブリンの《ステータス》を見た所、HPが回復していた。
だが起き上がる気配はないようだ。
本当にHPを回復するポーションだったか。
自分の時もそうだったが、HPがあっても目が覚めない事もあるって事だろう。
しかしこんなだけやっても、ゴブリンはスキルを獲得しなかった。
スキル習得が楽じゃないのは、よく分かる。
逆にこれだけでスキルが習得出来たらインフレしまくるか。
なかなか難航しそうだ。
信頼度で分かった事といえば、関係が悪くなると素直に命令を聞いてくれなくなるって所か。
良くなる方は時間が掛かりそうだし保留だな。
あとはDPとLPの問題だろう。
今後のDPの使用用途としては、DP→LP、罠、武器、牢屋、宝箱、飲食だ。
絶対に飲食代はいるので、5日間分はいるだろう。
日々、ダンジョンマスターはDP生産機でもあるので(自分が)最悪、DP→0でも何とかなるだろう。
だが流石に貯蓄0とかアホすぎるので、500は残そう。
なので使えるのは、DPは残り2500ほどだ。
防衛方法としては、幾つかある。
まず、DPをLPに丸々変換して、数で守る戦法。
他には今買える最強の武器(鋼の槍DP500)を購入して応戦。
あとは数と武器(DPの安い物)を半々にして守る。
って所か。
罠はまだいいかな。
こんな狭い所で罠を張ると自爆する未来しか見えんしな。
牢屋に宝箱とか論外だしな。
………うん。
ここは魔獣研究所一択だな!
身の危険は特になさそうだし。
ゴブリン 100体
スライム 30体
スモールドック 150体
これはやってみたいと思うのが男のロマンでしょ。
スライムなら、今すぐにでも出来る。
現在のDPが3045、LPが100だ。
時間回復としては1時間10づつって所かな。
DP→LPは等倍還元だし。
ゴブリンだと、99体で990LP。
スライムだと、29体で290LP。
スモールドックだと、149体で1490LP。
足して2770LPだ。
最初のゴブリンは検証中なので2780LPだ。
ぬ。500DP残らん。
まーいいか。
やってみよう。
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