私がいない世界

飛鳥 未知琉

第1話

「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい、咲。気をつけてね」

今日はゴールデンウィーク明けの久しぶりの登校日です。

ほんの一週間ぐらい学校に行かなかっただけなのに、こうして普通に登校するのがなんだかとても懐かしい気分になるのはなんでなんだろう。

そんなことを考えているうちに、もう学校についてしまっていました。

「おはよう、咲」

「あ、おはよう、心音ちゃん」

「咲はゴールデンウィーク中どこか行ったりしたー?」

「うん、家族でバーベキューをしに行ったよ」

「バーベキューかー、楽しそう! ちなみに、どこでやったの?」

「えっとねー、――――――」

この子は私の友達、夢泉心音。

高校一年の時からクラスが一緒でとっても仲良しな友達です。

そんな心音ちゃんは、どちらかというと地味っぽい私とは違って、学校でも話題になるほどの天才少女なのです。

しかし、心音ちゃんは学校の勉強においては文句の付けようもない天才なのは事実なのですが、その他のことについてはとんでもなく不器用でドジなのです。

「あーーー!咲!今日月曜日だと思って時間割ぜんぶ間違えて持って来ちゃったよぉー」

「えーー!今日金曜日だから体育もあるよ?」

「むむむ…。体操服を誰かに借りる必要がありそうだなぁ」

「私も貸してくれる人を探すの手伝おうか?」

「助かるよーー」

ゴールデンウィーク明け、久しぶりに会った心音ちゃんもやっぱり心音ちゃんでした。

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私がいない世界 飛鳥 未知琉 @kurikinton_v

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