本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

第321話 異変の糸口

　ロボット型検索エンジンを採用しているホームページのURLを思い出しながら打ち込む。

　そしてエンターを押すと、大手通信会社が経営しているホームページが開く。

　そのトップページを見るが、やはりというかISDN全盛期のホームページという事もあり、画像や動画は殆ど使われておらず文字だけでトップぺージは構成されていた。

　そんなページを眺めていて海外ニュースの一文で、俺は手を止める。

「これは……」

　思わず俺は小さく呟く。

　そこには、米研究所がレーザー核融合に成功した事が書かれていた。

　ただ、そのニュースは一時、話題になった。

　だが、そのあとに続く一文で俺は目が止まっていた。

――研究所が、消失。そのあとに、数十キロ離れたデスバレーに転移。

――と、海外ニュースに書かれている。

ただ、問題はそこじゃない。

俺が生きてきた世界において、研究所が転移したという話は存在していなかった。

つまり……。

「これが、この世界と俺が生きてきた世界の違いか……」

　だが、それだけでは、この世界で身体強化が出来ている事の説明がつかない。

　本来なら、ゲーム内だけ。

　アルドガルド・オンラインの世界でだけ反映されていたモノ。

　なのに、この現実世界に見える世界では、アルドガルド・オンラインの世界のステータス、身体能力を扱うことが出来る。

「しかし分からないな……」

　俺が、記憶している限りのニュース。

　そのニュースと、この世界のニュースの違い。

　それを確認していくが……。

「あー、もう！　違いって言っても、大きなニュースしか知らないからな」

　思わずため息が出る。

　そして気分転換も兼ねて、ネットカフェの個室から出てドリンクバーへと移動する。

　ドリンクバーで、コーヒーを淹れて個室に戻ったあとは、少し前のニュースも確認していく。

「ん？　世界同時睡眠病？　こんなニュース知らないぞ？」

　マウスを動かし、記事のタイトルをクリックする。

「世界同時睡眠病。年齢、人種に関係なく突然、睡眠を発症する現象。原因は不明で、数日で目を覚ますことが多いとされる……か。しかし、分からないな……」

　まず、こんな病は、俺が生きてきた現実世界では存在していなかった。

「ナルコレプシー症候群ではないよな……」

　どこかのアニメで見た時に聞いたナルコレプシー病について、思わず思い出したが、【それはないな】と、思わず自分自身に突っ込みを入れつつも、ふと思案する。

「もしかしたら、俺が寝ていたのも、そういうことか？」

　だが、俺は長い間、寝ていたと言っていた。

　それは、きちんと自身の耳で聞いた。

　そうなると、世界同時睡眠病とは関係ない気がするが……。

「無関係と決めつけるのは早計か……」