第124話 エピローグ(2)
食事を摂り終えたあと、一人の冒険者ギルドの職員が宿に来訪した。
ラムドの命により、俺達を呼びにきたらしく、冒険者ギルドに顔を出してほしいらしい。
「もう、問題は解決したのでしょうか?」
城塞都市デリアの大通りを歩いていると、まだまだ復興途中と言った感じで、壊れた建物も多く見受けられるし、職人や町の人間が力を合わせて復興を開始している。
その様子は、俺達が魔王軍四天王を倒したときと殆ど変わっていない。
「どうだろうな……。町を見ている限りでは、復興にはかなり時間は掛かるだろうし、問題は山積みだろうな」
「そうですよね……」
まぁ、それよりも俺が気になったのは冒険者ギルドがエミリアの出頭を命じたことだ。
理由は、俺達を呼びにきた冒険者ギルドの職人も知らないらしかった。
「――でも、何故、私が呼ばれたのでしょうか?」
「さあな……。まあ、何かあったらエミリアの事は俺が守るから問題ない」
「カズマ……」
二人して会話を交わしながら、俺達は冒険者ギルドの建物に到着。
扉を開けて中に入れば、人でごったがえしていた。
話しを聞く限りでは、引退した冒険者も招集して町の復興から城塞都市デリア周辺の警備も幅広く対応しているらしい。
まぁ、本来は町を守るはずの総督と総督府が壊滅したのだから、国の機関の一つである冒険者ギルドが全てを担う形になり、忙しくなるのは仕方ない。
「あ、カズマさん。こちらです!」
冒険者ギルドの建物の中に入って、建物の中を見ていた俺達に話しかけてきたのは、ラムドに引退した冒険者を集めるようにと命令を受けた男だった。
「ずいぶんと忙しそうだな」
「はい。総督府が消えてしまったので、戦える戦力を有しているのは冒険者ギルドだけですから。総督府に所属していた兵士の方も、冒険者ギルドで一時的に運用する形になっていますし」
「なるほど……」
「それよりも、カズマさんとエミリアさん、こちらへ――、ギルドマスターがお待ちです」
案内されたのは、以前にも通された冒険者ギルドマスターの部屋。
そこには、二人の人物がソファーに座っている。
一人は港町ケインの冒険者ギルドマスターの代理をしていた女性職員のソフィア。
そして、もう一人は冒険者ギルドの城塞都市デリア支部のギルドマスターのラムド。
二人は視線を俺達の方へと向けてきた。
「カズマ君、待っていたよ。それとエミリアさんも」
ソファーから立ち上がり、先に話しかけてきたのはラムドであった。
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