相対

大狼 夕

モノローグ 相対

「つまるところ、お前は今アイツと相対している」

「そしてアイツもまた、お前と相対している」


「いや、実はそうではないかもしれない」


「対面しているから、対話しているからと言って、相対しているとは言えない」


 確かにコイツの言う通りだ

 実に相対したことなど私にはないのではないか


「しかしながら、お前がアイツと形の上で相対している間にも、」

「お前と私とは本当の意味で相対している」

「私たちの相対は避けられない」


 そう、相対しているのだ

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