無言のエール

「なあ、俺何か間違ったのかな」

揺れた声でそう呟いた彼の表情は暗かった。傷だらけの頬には乾いた一筋。

「俺さ……強くなりたいんだよ。弱いのはもう嫌だ。強く、なって……」

彼から紡がれる言葉はまだぎこちなくて。あと一歩がなくて。

だから僕は君の背中を叩いた。



#言葉の添え木 「無言のエール」

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