君は僕の鍵

「ありがと」

「……急に何」

訝しげな彼の様子が可笑しくて僕は笑った。昔からは想像できないだろう。こんなにも心を許せる相棒ができること。部屋に閉じ籠っていたあの頃の僕には。

「なんでもない」

「はあ?」

言ってやらないけど。感謝してる。固い僕の扉をこじ開けてくれて。

君は僕の鍵なんだ。


#優しい言の葉 「鍵」

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