君が見えない

突然の派手な音。力強い衝撃。

「なん、で···」

最悪の光景を見た。

「よかった···守れて」

彼はそう微笑んだ。血に染まった体で。

「愛してるよ」

温かい指が頬に触れて、離れる。

「っ、い、いや···」

嫌、嘘だ。こんなの嫌だよ。

私は叫んだ。歪む視界。君が見えない。

……最愛の君は、もういない。

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