第47話 雪

 積もる雪を見て思い出す。


 その年は、豪雪だった。


 彼女は、自宅の雪寄せを終えて

 今度は、近所の友だちの家の雪寄せをしていた。


「仕事から帰って来たとき、この雪じゃ、駐車場に車入れられないでしょう」


 そう笑って、一生懸命に雪を寄せていた。


 誰かの為に動くことを厭わない人だった。


 我が子のため

 我が子の友だちのため

 夫のため

 友だちのため

 困っている人のため


 私は、何度も彼女に助けられた。

 子どもたちが成人して

 これから一緒にどこかへ行くはずだったのに……


 神さま、お願いです。

 彼女の病気を治して下さい。

 

  

 


  

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る