社長の決断

「「どうして黙ってたの?」」

三人の女が同時に尋ねた。研究員は不正を隠蔽し、社長はそれを黙認した。互いが互いの呵責を信じ、忍耐していた。

「まず貴女達からよ、これは命令」

バレない自信があった、と詩織。頃菜は養女を慮ったという。社長は社長で手段を選ばず品評会で勝ち抜き、閉鎖空間政府の受注をモノにしたかった。相反する新種はブレーキとアクセルだ。古き良き時代を望む人々とコロナ後の修道生活を貴ぶ勢力を調和させる機能がある。

「ルフレで昔のような華やかさを愉しみ、マランで賢者に戻る。人間はそんな都合よくスイッチできません」

詩織は向日葵の廃棄を主張した。何より由美子が可哀想だ。不法に生まれし

生命とはいえ、弄ぶ権利は誰にもない。彼女は彼女だ。

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