第16話「高校生活」
今聴いている曲、
たぶんクラシックとかジャズとかと、
いうのだろう
流行を追う曲って、
なんか聴いていると疲れるから駄目だ
それで昔の曲は、
人間の感性を研ぎ澄ますように、
出来ているんだな
今日は晴れた
雨が上がった空の下、
ジェットエンジンの煙がうしろに流れる
操縦するのは、高校生になったばかりの僕
さっそくエア・カーの免許をとった日にドライブ
ひと昔まえでは、原付バイクというものを手に入れて、
地上を疾走していたんだってさ
眼下には街がある
日常風景だ、特に何もない
僕の日常もなにもない
起こす気もない
友達づくりに精をだすとか、
部活に燃える、
とか、
別にない
そんなお祭り騒ぎのような日常は
僕は求めていない
でも何だろう?この気分
心の中のもうひとりの自分が、
さびしがっているような
―― そんなことよりも、ギアを一段上げて、走り続けることが大事なんだ ――
―― おまえには、おまえの生き方がある ――
って、
昔、おじいちゃんが言ってたな
あれは、今の僕に向けて
言っていた言葉なのか
そう思うと、
元気でいるかな
天国で、バイクを走らせてるんだろか
おじいちゃん、
やっぱり、カッコよかったよな
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