チェルシアの更科日記

水原麻以

チェルシアの更級日記

お嬢様は見目麗しく器量よしでございましたので、蝶よ花よと育てられました。

しかし浮かれすぎたのかちょっとした「やらかし」を遊ばされた関係でお館様も辺境伯へ格下げとなりまして御屋敷を此方に移されたのでございます。

お館様はたいそうお怒りになられましたが、やはり目に入れても痛くない一人娘でございますので魔導士のべリズムに大金を積んで親子ともども別人になられました。

肌も瞳も髪の色も何もかも模様替えされましたお嬢様はチェルシアと改名し辺境の学園でやり直しをはじめました。

こちらに記しますは侍女である私めが御奉公の合間に見聞きした出来事でございます。

チェルシア様には思いの人がおられまして、小耳に挟んだところでは閉太君という鼻息の荒い絵に描いたような青二才だそうでございます。さて下僕であるこの私ごときがなぜお嬢様と同級生の間柄を書き遺すのかと申し上げますと…

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