せどりブームで財をなし
せどりブームで財をなし、アベノミクスと円安の差益で賃貸マンションを購入した。
安定した家賃収入で不労所得を得られるようになってから商売の軸足を隠れ家レストランに移した。
今ではくだらない写真映え競争や既読スルーから距離を置きつつも、つかず離れずの環境を望んでいる。
カラコロとベルを鳴らしてドアを開けると先客がいて、ごぼうスープを味わっている。
店のたたずまいは居抜きの物件を北欧調にリフォームしてある。もとはカラオケパブだった。
ありきたりなカウンター席と奥にテーブル席が二つ。手前の席で向き合ったOLが無遠慮にスマホをかざす。
するとオーナーがやんわり制止した。
「えーと、携帯はご遠慮ください。というか、使えませんので悪しからず」
二人はぎょっとして端末を置いた。白いテーブルクロスにはメニュー代わりに薄いタブレットが置いてある。
「だってLINE使ってるのよ」
片割れの元ヤン風女が無遠慮にスマホを置いた。その瞬間、アンテナ表示が【圏外】に変わった。
「チッ、使えねーよ」「帰ろ帰ろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます