ジェンダー・デジタルトランスメーション

水原麻以

2025年の崖

女の長話がビジネス現場の生産性を下げている。性別特有の自意識過剰と勝ち馬根性、強いて言えば男勝りな感情が他人を押しのけようと焦るあまり建設的な意見まで潰してしまう。女のポストを平等論で機械的に増やす方針は害悪だ。

そんな失言の炎上が停まらない。震源はスポーツ界の重鎮だ。金メダリストという地位もあり育成チームから退いた後も要職にしばしば抜擢されている。そんな彼は脳味噌が筋肉で出来ているらしく時代錯誤の放言で過去に何度も物議をかもして来た。言われた女性側はたまらない。古来より女性は意思決定の場から外されてきた。男は外、女は家というステロタイプな思考が習慣化していたからだ。二十世紀のかな後半で婦人参政権運動が実ってようやく投票権を得た

少子高齢化による人手不足が女性の社会進出を後押ししてるにも関わらず管理職の男女比は著しく低いままだ。それに重鎮が苦言を呈した。やれ、男女共同参画だというから実際に女を座らせてみれば会議が空転する。

意見表明が報道されるや各界の女性のみならず海外からも非難が殺到した。

それを高名な精神科医が援護射撃した。彼は当該人物の更迭を求める嘆願に百万を超える署名が集まった記事に言及した。

「ほとほと参ってますよ。あの人は自然体だ。正直なコメントに異常なまでのバッシング。辞めろだの世間知らずだの。後悔して謝罪も済ませた人間を執拗に攻撃したがる。日本人は容赦という美徳を忘れた。病んでしまった。」と報道番組で語った。

「高齢でノーギャラの病人にむごい扱いだ。差別だという声もありますが?」

ニュースキャスターが意見を求めると「袋田叩きするほどの失言ですか? やりすぎでしょう」、とあくまでもかばった。

これにネット世論は二分した。同調する者もいれば「さっさと辞めればいいじゃん」と両極端だ。

番組の最後で精神科医が懸念した。「彼が心配です。このままでは消えてしまうんじゃないか」


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