短歌七首連作「叫びをください」

叫びをください

 複眼を磨いて捕食、過不足もなくエゴもない従弟はカマキリ


 家族まるで二人羽織だ 動けないおれは火傷か食中毒で


 手綱明け渡した人は後始末できなくなって「駄目ったら駄目」


 ヘルペスの土壌はあんたの靴の泥 おれが不潔なだけがオチだな


 アンテナはまねば枯れる井戸のよう追い立てられて小説つくる


 遺棄された乾燥わかめの山踏んで育つウオノメごとおれなんだな


 騙し絵に騙されに行く論理ロジックはいらないかわり叫びをください





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