予定調和プログラム仮説

「でも、プログラムで実行されているんでしょ?」

参加メンバーの一人はそう言った。

「そう。でも、実行されている。今の時点じゃない。」

「え、じゃあ、なにが分かるの?」

参加したメンバー全員に、僕は言った。とは、もちろん、プログラムを解読していたからではない。

「実行されたプログラムとという事実とは別に、予定調和論的に実行がなされたと信じてる人がいるしょ?」

「そうね。でも、もう遅いよ。」

「え?遅いの?」

「そう。だって、このプログラムは誰かの要請によって実際に実行されているの。」

その一言によって参加者たちは静まり返った。そして、ざわっく。

「え?嘘?まさか、誰でも実行されるものではあるまいし?」

「そうね。残念だけど、誰かが作らなくても実行されるものよ。」


つまり、こういうことだ。陰謀論者だの対策プロジェクトだの、しょせん『人間』がどんな対策プログラムを撃ち合おうとも、その上位で宿命というプログラムが動いている。

「実行ボタンを動かす人間そのものが神というルーチンの支配下にある、君はそういいたいのか?」

発した言葉に、参加者のひとりが頷く。

「生きとし生けるもの全てよ。だって考えてごらんなさい。私たちのドローンは人間を俯瞰する第三者視点を持ってるのよ。被造物たる私たちもそうじゃなくて?

メガネをかけた、小柄な女子が強調する。

「そうなんだ。誰かが、『結果的に塩漬けのまま終わるプログラム』を作ったとして、それを『放置させる』『誰にも実行させない』プログラムがう動いてるってことだからね」

「そう、そのとおり。」

「でも、プログラムが実行されるされないは誰が決めめる? 確率の問題かい。じゃあ陰謀論者たちの妨害工作はくじけるね。破滅の自由党よりこちらの参加者が多い」

「いいえ、実行されるわ!」

「え!?どういうこと?」

「あるプログラムの実行が始まらなくなったとき、実行を待望し、その実現のために起動される人々が本当に何人も潜在している!。そういうことよ!」

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