第3話 梅雨空

「梅雨空」


たしかあの頃は

小さな窓辺から

やっと見える梅雨空を眺めて

ため息ばかりをついていた

きっと夏が来る


たしかあの時は

せまい部屋の中で

きっと見える未来を探して

湿った風を感じていた

きっと夏になる


青色の若さだけが

気づかずにいたことだけが

僕の強さだったのだと思う


雨の音さえ

怖くなかったのだから

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