第7話 春それから

「春それから」


それから春になりました

はじめて仕事に就いたのは

もう二十二の春でした


それから雨が降りました

はじめて親になったのは

まだ二十五の春でした


春の匂いがうれしくて

風の歩みがかろやかで

それでも春は はかなくて

無理に笑顔になりました


あれから春がくるたびに

<div> 自業自と苦(自業自得)の空涙

もう会えないと もうあの頃の

なごり優しい春の暮れ

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