第2話 吾子の残照
「吾子の残照」
初夏の風は
木々の歌を奏で
五月の陽光が生き生きと
すべての命に降り注ぐとき
吾子は
たった独りで
父だけに見送られ
棺もなく
葬列もなく
ただ
母の慟哭と絶望だけに
見送られ
ごくあっさりと
天に召されていった
吾子よ
わが見ぬ子よ
枯れ葉のように
かさかさと
微笑むのか
父と母には
今でも
吾子の残照が
眩しいのです
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます