ななめ上の竹槍で突け

水原麻以

バアル―来訪者

終末の日に貴方は何をするか。よくある命題だ。回答は人それぞれでプランも出尽くしている。

一日は長い。漠然とした感覚がどことなく晴れた休日の午後を連想させる。これが例えば残り23時間という単位に落とし込まれると、のどかさが吹き飛ぶ。

たった60分間しか違わないのにどうしてだろう。人間の狼狽ぶりに興味を持った知的生命体が来訪した。


艦、艦、艦艦艦、空、雲、艦艦、雲、艦艦艦…雲。

巨大隕石を思わせる鉄塊の魚群。ありがちな展開が都市に影を落としている。ファーストコンタクトは携帯のフラッシュで出迎えられた。人々は慣れたもので、SNSで第一報を競った。そして相手も人類を調べ尽くしており、すぐ公式アカウントが開設された。

そして、こんな数字が灯った。

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