ポニーテイル
そいつが私の初めての相手だった。
最初に会った時、私の胸に顔を擦り付けて甘えてくる姿を愛おしく思った。
早朝、決まった時間に起床し冷水で顔を洗い髪を纏めあげて気合を入れる。
それからベルの体調チェック、毛並みのケア、食事の用意をする。
牧場を元気に駆け回り、疲れるとすぐ私の胸に顔を擦り付けに来る。可愛いやつだ。
私がトイレに行ってる間に、他の女性調教師の胸を堪能していた時は思わず嫉妬してしまった。
ベルは順調に育ちたくさんトレーニングをした。
騎手とも上手く馴染めてるように見える。
それでもレースの出来はパッとしなかった。
序盤から先頭を駆けるが、スタミナ不足で逃げきれない。
レース後はいつもしょんぼりして私を小突いてくる。
終ぞGⅠ、GⅡで優勝することができなかった。
私の育て方が悪かったみたいだ。
最後も私に甘えてきた。
何とか頼み込んでベルの肉を一欠片だけ貰った。
充血した目を擦って髪をまとめあげ覚悟を決める。
一口。
「······あんまり美味しくない」
胸を小突かれた気がした。
テーマ【ポニーテール】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます