落ちこぼれダヴィンチ
BIG PLUM
第1話 気付き
冷たい雫が肌を打ち、何の変化もしないようなこの空間で、時の流れを感じた。窓を開け、明かりを消し、ゆったりと風呂に入るのが日課だった。この暗く静かで快適な空間に居ることはぼくにとっての唯一の安らぎの時間であり、俗世と離れ、1人だけの自由な世界にいるようだった。社会から拒まれた僕は、いつからからこの空間に逃げ込む様に入り浸っていた─
眼を
さっきまで暖めてくれた湯船の中の液体は、完全に冷めきっていて体温を奪い始めていた。安らぎの空間が表情を変え、ぼくを追い出そうとしているように感じた。そして、今日と変わらない明日が近付いているのを感じた。外のミドリムシが照らす街はまだ明るかった。
浴室を出る時にあることに気付いた。今までの安らぎの空間は姿を変え、とても醜くく見えた。
「まるで懺悔室じゃないか。」
落ちこぼれダヴィンチ BIG PLUM @Strange_and_mysterious
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