ニート詩

僕たちの幸福はどうなるんだ？

僕たちの幸福はどうなるんだ？

どうもなりはしない

理想家たちの顛末を見ろ

そろいもそろって大こけだ

僕たちの幸福は？

僕たちの未来はどうなるんだ？

おいおいそんな

純朴そうに問うてみせるがね

わかってるだろう君も

一切合切の議論は下らない

たとえ100時間議論したとして

僕たちが見つけられる結論はなにか？

明日も頑張っていこう

これだけさ

生活　生活だ　しみったれた生活があるだけ

そして僕らに何ができるかと言えば

すこしそれの見方を変えてみる

味付けを変えてみる

それくらいのことだ

君たちの要求はこれだろう

今をすこしだけでも忘れさせてくれ

生活を忘れさせてくれ

癒しを　忘却を　陶酔を　

質の高い騙しを

正直に浮気の真実を話された女だって

そんな中途半端に本当のことをいって

私を傷つけるなら

最後まで嘘を突き通して

くれれば良かったのに、と

要するにそういうことだろう

騙されたまんま生きおおせたら

比較的には幸せなんだ

愚鈍な馬鹿は幸福で

賢い人間は不幸なんだ

考えれば考えるほどどつぼにはまってね

出口のない迷路をさ迷うことになるんだ

僕たちの幸福はどうなるんだ？

君、君、君もしつこいね

幸福？幸福だと？ 馬鹿なことを

そんなのはなあ石ころみたいに

その辺に転がってる

ありがたい文言を真に受けて

ヘラヘラ笑ってればいいんだ

後は酒やら不安鎮静剤やらと

まとめて一緒に放り込んじまえばいい

ああ、俺のこの退廃的な態度だって

お里が知れたもんだ、焼き直しの巻き直しさ

俺たちはぐるぐる回って

またこの風景を見た、どれもこれもだ

そんなもんさ

要するに、この世の一切合切

全く下らない張りぼてで

確かなこともそうでないことも

全部猿もどきの言うおべんちゃらさ

いい騙しかたを覚えたやつらはね

あちこちに箱庭をつくって

そのなかで人々の精神の面倒を見ているが

でも、もうそんなのも下らない

もうみんな率直な感情しか信じないよ

理想やらロマンややらね

もうお役ごめんになったのさ

生活を忘れさせる、そこまで乱暴でない快楽

ぼんやりした癒し

それなんだよ、それ

満場一致だ、神様だってお呼びじゃないのさ