第八話「大聖女、伝説級に会敵する」
確か
例えば、今の狼型を含めて獣型は毛皮や牙が売れるはずだ。
ガラクティカ様がその辺りをご存じと思っていたが特に指示がなかった。
今のところ丸まま
もしかしたら解体はまとめてするお積もりなのか?
遠くに見えていた山々に手が届きそうな所まで来てしまった。
たどり着いた森の奥に湖を見つけ
聖女宮の料理人に持たせてもらった昼食を食べるのに、丁度良いと思える。
そこは森の背とも言える山々からの
「下がれ‼」
何が起こったのかと呆けて見ていた私達にガラクティカ様が叫ぶ。
水面からは触手と丸い頭を
まごつく私たちは逃げる間もなく伸びてきた触手に捕まってしまう。
私の探索では水中の魔物が判別でき
「はあああーっ!」
ガラクティカ様は私に絡まった触手を
「助かりました、ラクティー様──」
「まだよ。
悠長に礼を言っている場合ではなかった。
獲物を逃がすまいと新しい触手を伸ばして魔物が陸に押し寄せてくる。
失った触手に怒りを表しているのか
それは頭の下から触手が生えた
顔とおぼしき所に飛び出た巨大な目玉が二つ、覗いているが鼻も口もなかった。
つくづく
「なっ、何ですか? あれ!」
「
「「
ガラクティカ様は、剣を下ろし仁王立ちで魔物──
「クレスト、早く森の方へ!」
「ああ、逃げよう!」
ぼんやりとガラクティカ様の体が赤い魔法光を放ち始めていた。
体に
魔法光を発する時はガラクティカ様が強力な魔法を放とうとしているからだ。
臨界に達し、その姿を輝かせ、するりと触手を
が、体表に現れた魔法障壁とぶつかって火花を散らすに
空に
地上ではその間にす早く体を回し、うねうねと触手を揺らして待ち受ける
それを気に留めもせずガラクティカ様は降下する。
剣を掲げた姿勢でそれに激突するが、またしても障壁に
「ラクティー様!」
森では
隔絶した闘いを呆然と私たちは眺めているしかなかった。
とは言え、頼りのガラクティカ様が離脱してしまい慌てる。
樹の陰に隠れ探索魔法で
それが健在な反応で
「私たちにラクティー様の
「ムリムリ。せめて物理攻撃なら何かしらできそうだけど近寄っても触手に捕まるだけだろ?」
「そう、だよね……」
ガラクティカ様と魔物との魔法抗力は拮抗している。
今は魔物に捕まらないで足手まといにならないようにしているしかない。
できることは短剣を構えているくらいなものだが。
幸い、
そこへヒュンヒュンと音を立てて森の中から炎の槍が
ガラクティカ様が飛ばされた方向だ。
数本が逸らされ飛散、いくらかは魔物の前で霧散した。
ところが
体表には波立つ模様が表れて、その反応はあるいは動揺しているのかも知れなかった。
炎の槍のわずかが突き立ったのだろうか。
立て続けて炎の槍が
障壁をすり抜ける炎の槍に恐れをなしたか、
水際では分が悪いと分かったのか。
闘いの行方を
その触手の動きがぎこちなく、頭が苦しむように揺れているのは炎の槍が効いているのだろうか。
乱撃のあと炎の槍の追撃はなく、
攻防の推移が分からず水に
気が付くと体表の色の変化が無くなり、モヤの薄れゆく中で
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