リアリティーショーに参加した彼女いない歴年齢の俺が気になったのは〜生意気なライバル。そんな男に恋をした俺〜【BL】

やまくる実

プロローグ

20X X年 8月 某マンション裏の倉庫




「何だよ、怖いのかよ」


 あいつの低い声が狭いこの空間に響く。

 始めは苛立ちばかり感じていた声、そんな声なのに、俺はどうしてこんな風に思うのか......。


 ドクドクドクッ。


 脈とか胸の鼓動とかいろんなものが、どんどんどんどん大きくなっていく。


 静かな空間だからかアイツの普通の息遣いもやたらと大きく聞こえてしまって俺の心を惑わせる。


 背中合わせに感じるアイツの熱に俺の動悸は更に大きくなっていく。


「そんな訳ないだろう?」


 俺の考えている事を気づかせない様、なるべく表情を変えずに強めの口調で言い返す。




 始めての顔合わせの時は、こんな思いになるなんて思わなかった。



 小憎たらし生意気なアイツの事が頭から離れなくなるなんて思いもしなかったんだ。


 どんどん動悸も激しくなるし、こんな事になって震えも止まらない。


 だけど、憎たらしい気持ちとは裏腹にこいつの体温に安心し、心地良く感じてしまう俺もいて......。


 俺はいかれちまったんだろうか?




 出会いはあるテレビのリアリティーショーで、アイツと俺は同じ女の子を好きだと思われているライバル同士だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る