わが波は大海より

刻心

第1話序章も序章 プロローグ

                わが波は大海より


                 【防衛省】

                【最高司令官】

                 【防衛大臣】    

                 遠井出刃集

                  J.D.C.I.S

            正式名称 日本国国防犯罪捜査局

               【国犯長官】 清塚五郎

                 【部長】 水原隼

                 特別捜査官10名

                 上級捜査官15名

                  捜査官20名

                 事務従事者15名

日本国国防犯罪捜査局 通称”国犯”

略式正式名称”J.D.C.I.S”  防衛大臣直轄組織

警察組織を模倣した組織と噂されているが、実際はN.C.I.S(海軍犯罪捜査局)を参考に設立されたテロ並びに軍人犯罪専門の組織である。構想当時は米国軍部に存在する組織D. C. I. S(国防犯罪捜査局) を参考にし設立する予定であったが、憲法上の問題や活動規模の観点から見直され現在に至る。少数精鋭主義を掲げ、前線人員は防衛省に所属してる全体の1割にも満たない。基本的には警察と同様の権限が与えられ容疑者の逮捕、拘束が認められている。

但し運用概念が根本的に異なるため捜査に出動するのは、軍人ないし防衛省関係者が犯罪やテロに巻き込まれた場合と、政府権限の行使による要請があったときのみと原則定められている。銃の使用規定に関しては現場で活動する捜査官に一任されており殺害ライセンスが捜査官になった際に与えられる。

また捜査官にはそれぞれに政府機密情報へのアクセス権限が1~11のレベルで振り分けされそれに応じてアクセスできる。最低アクセス権のレベル1では資料室の本ぐらいが関の山だが、レベル11にもなると、自衛隊の機密資料や国家の最高機密にアクセスできる。

また自衛隊の身分証明書とは別に新たに身分証明書が発行され、組織の存在を知るものだけに提示される。


作者よりお願い

この作品のナレーションは主人公と作者が務めております。その為、時々それぞれの心情がうっかり作品に投影されている場合がございます。

見つけた際は、どうか温かい心で無視してください。

よろしくお願い申し上げます。



本編

いっぱいに湯を張ってそこに浮かべた桶に乗っかってる。そんな感覚だ。


「こんな鉄の塊で水の上になんか浮いて居たくない!!うぉえ」


そうぼやきながら、防衛省特別情報官、川波優輝一等陸佐はバケツ片手にベットに横たわる。大臣からの書簡をアメリカ太平洋艦隊の陸戦隊司令官に届ける簡単な任務のはずだった。書簡を届け終わったら空港に向かえば良いものを、あろうことかこの男、高所恐怖症である。それゆえに横着しようとした。飛行機ではなく、アメリカ海軍との演習から日本本土へ帰還する途中で寄港していた日本の海上自衛隊の補給艦船に便乗したのである。結果はご存じの通りである。

(ざまぁーみろww by作者)

自分の選択に後悔しながら一佐は天井に目を向ける。むき出しの鉄板がこの艦が軍艦であることを意識させる、凹凸のある骨組み、溶接跡、そこそこ金回りの良い人間が乗船する商業客船よりよっぽど洗練されていると考えてしまう。というか何か考えてないと酔ってしまう。動かしてもない体が縦横無尽に動き回るようなそんな感覚に襲われながら一佐はまた眠りにつく。眠れるはずもないにもかかわらず、台風の影響で荒れると警告してくれた隊員の話を素直に聞いておくべきだったと、吐きながら一佐は思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る