わたしは百合だが受けじゃない!
藤原埼玉
第1話
「と、とっとと認めたらいいじゃん…?」
「…こ、紺…先輩…?」
樹慈ちゃんの顔は戸惑いと羞恥で赤くなってる。それでいて既に何かを観念したかのような。そんな表情だった。
いい気味だ。これは先輩である私を敬わない罰だ!
さっきから自分の顔が異常に熱いことや樹慈ちゃんの髪から自分と同じシャンプーの香りがすることは出来るだけ頭の外に追い出そうとする。
分かっている。自分でも分かっている。色々なことが暴走している。刻一刻と後戻りできるラインを踏み越えまくっている。
少しだけ時間を巻き戻せたらどんなにいいことかと何度も願った。でももう背に腹は代えられない。もうこうなったらなるようになれ!
生配信中のチャット欄を確認できる余裕なんかもうない。ないけど爆速で動いていることは感じる。
私はメッキの如く顔に張り付けた笑顔を必死で保ちつつ、私の脳はフルスロットルで回り続けていた。
「紺……先輩???」
NOW LOADING状態となり挙動が完全にストップした私を樹慈ちゃんは不思議そうな表情で見上げていた。
ちょっとまって…?
…女同士ってここから何したらいいんだ???
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