第34話 2021年6月24日(木) コロナワクチン
コロナワクチンの案内が届いたと母からメールがあった。
母の年齢は先日64歳になったばかりであり、これまでの高齢者向け接種の対象ではなかった。
だからこれまでは推移を見守るだけであったが、母の住む町では比較的順調に高齢者向けの接種は進んでいて、また、国の意向もあってか高齢者の次のステップである基礎疾患のある人を対象とした接種に進むのだろう。
そして、その一環として、町の64歳以下の人すべてに基礎疾患の範囲の対象かどうかを確認するための文書が送られており、母が連絡してきたのはこの確認文書が届いたからだ。
メールにはどうしようかと書いてあった。
母は間質性肺炎であり、これは紛れもない呼吸器系の基礎疾患である。
むしろもし新型コロナにかかった場合は特に重症化のリスクが高く、急性憎悪も招きかねない。
普通に考えれば、迷うまでもなく接種した方がいい。
だが、私は一つ気になることがあった。
副反応やアナフィラキシーのことではない。
それらのリスクよりもかかった場合のリスクの方が高い。
問題は母の間質性肺炎の原因となる要素が分かっていないことだ。
この病気について煙草が悪影響を及ぼすことや一部の漢方薬等の薬が悪影響を及ぼすことは知られている。
母もかかりつけ医や大きな病院の医師から体調が悪いときもできるだけ市販薬は飲まないように言われている。
これは病状を進行させる原因が分からないからである。
だから、今回世界で初めてであるコロナウイルスワクチンに使われている物質は、間質性肺炎の急性憎悪の要因になったことがあるのかについては、正直とても気になってしまう。
ただし、接種は先着順で調整されるため、あまりゆっくりしていると接種の機会がどんどん遅れてしまうことになる。
それはそれで今後感染力の強いウイルス株が広がるであろう中ではリスクだろう。
そうであれば取るべき行動は一つだ。
私は母に二つのことを書いたメールを返信した。
一つは基礎疾患ありとして接種の申し込みをするように。
もう一つは、7月5日に予定している母の病院での定期観察に私も同席し、主治医にワクチンを接種しても問題ないか確認する、と。
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