第27話 2021年6月8日(火) お返し
下の妹から実家から送られてきた荷物が届いたと連絡があった。
どうやら母は先日の誕生日に行った姪っ子とのオンライン通話がとても嬉しかったようで、実家で収穫できた野菜や通話の中で姪っ子たちが好きだと言っていたお菓子類を段ボールに詰めて昨日に宅急便で送ったらしい。
誕生日を祝われた側が祝った側に贈り物をするのも若干おかしな気がしないでもないが、当人たちが喜んでいるのなら悪くない話だ。
一方で母からは親戚のことではあるがあまり良くない話の連絡があった。
その親戚は、関係としては私の祖父の妹の夫になり、母から見れば叔父にあたる人物のことだ。
年齢的には90近い。
私の実家から車で20分ほどの距離にある隣町に暮らしているのだが、現在、癌を患っている。
病状としてはかなり進行しているが、本人の希望と家族の介護の協力もあり、ここ数年は自宅で療養をしている。
だが最近になってあまり調子がよくないらしい。
認知症の症状はなく、頭ははっきりとしているため意思疎通ができる分、自分で感じ取るところがあるのかもしれない。
この人とは私はコロナ禍と言うこともあり一年程会っていないが、面識は物心ついた時からある。
身体を悪くするまでは、お盆の墓参りや正月等のイベントの時には必ず実家に顔を出して仏壇に線香を立てていた。
煙草の匂いがして、お酒の好きな昔の気質の若干強引な性格ではあったが、筋の通らないことは言わなかったので私は嫌いではなかった。
もしかしたら私が子供のころにお年玉を気前良くくれたことも関係しているのかもしれないが。
ともかく、この手の話題は今は母の病気のこともあるので、自分でもどうしても神経質になってしまうきらいがある。
コロナが落ち着いたら一度見舞いには行きたいところだが、この状態では会うのは難しいかもしれない気がする。
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