第6話 2021年5月14日 前提条件
子供がいる幸せな家庭を作るために真面目に本気で婚活をする。
ここで重要になるのは、パートナーとなる相手の条件だ。
当たり前のことだが、相手も人間だ。
都合良く自分の都合ばかり押し付けてくるような男はご遠慮されてしまう。
数年前、私は何度か婚活に向けてパーティや街コンにも参加したことがある。
結果は、成果は何もなかった。
LINEの交換程度が関の山だ。
当時はあまり深く考えず参加していたが、今とは違い、何となくいい人がいればという感覚――もっと言うと無意識では自分にとって「都合がいい人」がいればいいと考えて参加していたのだろうと思う。
多分、相手も何となくそれを察していたからこの結果だったのだろう。
それを踏まえた上で、今私が考える相手に望むことは何か?
地方在住者の私には、現時点で結婚するために女性と出会う手段として、現実的に最も頼れそうなのはマッチングアプリや結婚相談所だろう。今更偶然の出会いや知人の紹介が都合よく発生する可能性は、これまでのことを考えると極めて低い。
また、マッチングアプリや結婚相談所を利用するのであれば、ある程度、相手への希望を考えておく必要がある。
希望は大きく分けて3種類。
結婚生活への指向性、健康状態、居住地だ。
なお、性格は出会って話してみないと分からないのでここではいったん置いておく。
一つ目は、結婚願望があり、子供を希望していること。
これは最優先だ。どんなに美人だったり可愛かったとしても、目的に一致しない相手に時間を割くことは極力避けたい。
二つ目は、健康状態等の身体的な条件。
相手の身体への影響を考えると35歳くらいまでが望ましいだろう。自分の親の健康リスクの上にパートーナーの健康リスクを敢て載せられる程の余裕はないと思う。
そういう意味だと身体に大きな疾患があったり、太り過ぎや痩せすぎも対象とはできないだろう。
また、喫煙者も対象外になるだろう。タバコの煙は子供への影響ももちろんだが、母親の病気である間質性肺炎に悪影響が実証されているからだ。
35歳以上や喫煙の独身者の女性でも、私がこんな状態でなければいいなと思う人もいるのだろうが、いかんせん今の状況だとこれは諦めるしかない。
三つ目は、実家に住んで結婚生活を営んでもらえることだ。
これは女性側から見たら相当高いハードルになるのは理解している。
ただ、これは母親の介護や面倒を見て欲しいからではない。そんなことはこれから出会う人には重荷だからさせたら家庭が崩壊する要因になるうるし、私自身が対応するべきことだ。加えて言うなら同じ住所に住んでも母親とは世帯や生計も別にするつもりだ。
実家に住んでもらいたい主な理由としては、母親には、残された時間で幸せな家庭の姿をできるだけ多く見てもらいたいことがまず最初にあるのだが、もう一つ大きな理由がある。
それは私の財力の面でだ。
私の実家は、築50年以上の日本家屋、いや農家住宅といった方が正しいか。お洒落な古民家には程遠い状態であり、床や壁はところどころ老朽化していて痛みもある。
ここでは詳しい説明を省くが、実家の家屋や土地の管理は、近い将来、私がすることになる可能性が高い。なお、簡単に売却先が見つかるような立地でもない。
当然、建物や土地の管理にはお金がかかる。(壊すことも含めて)
もし私が結婚して新しい家やマンションを買うとなると、実家の管理を両立するのは、私の財力の面では相当無理がある。
幸せな家庭を築くために、ある程度のお金は絶対に必要だ。
そうなると居住面での出費を抑えるためには、実家をリフォームすることが合理的だろう。
さて、ここまでは自分の願望を好き勝手に書き並べてみた。
しかし結婚は相手あってのことだ。
では、一方で相手から見た私はどうなるのかを考えなければならない。
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