まゆさん ~失われたお嬢様を求めて~

龍崎昇

プロローグ 【失われたお嬢様を求めて】

お嬢様


それは「お姫様」がいなくなった今の日本において、その系譜けいふを正しくぐ者にほかならない。


しかし多くの人々にとって、その本当の姿を知る事は難しい。


なぜならテレビや週刊誌に登場する「お嬢様」は、そのほとんどが本物ではないからだ。


彼女たちは、お嬢様のふりをしている自称・お嬢様か、単なるお金持ちの娘に過ぎない。


本物のお嬢様は想像の産物なのだろうか、それとも既に絶滅してしまったのだろうか。


どっこい本物のお嬢様はこの日本に確かに存在する。


だが本物は決してテレビに出演したり、週刊誌に取り上げられたりしない。


彼女たちは目立つ事を嫌い、無名である事を好む人種なのだ。


だからよほどの幸運が無ければ、普通の人間は「お嬢様」と知り合う事なんて出来ない。


これから語られるのは、ひょんな事から幸運に恵まれた一人の女子大生と、彼女の親友となった一人のお嬢さまがつむぐ、ちょっと不思議な日々を描く物語です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る