第一章 有森千聖 後編
7月27日。私と奏多は鈍行列車に揺られながら車窓を流れる田んぼや山の様子を眺めていた。奏多の勢いに押されて30日くらいまで鈍行列車の旅をすることになってしまったけれど、本当に大丈夫なのだろうか。死の宣告を受けたあの日は取り乱していたが、冷静になると、こうしてこの地元を離れることで私が生き延びられる保証はあるのだろうか。そもそも、29日に私が死ぬ、29日に大震災が起こるということすら半信半疑だ。奏多が行方不明になった夜に本格的にどうかしてしまった可能性も、私は捨て切れていなかった。本当に震災が起こるという確信があるのなら、いっそのことこの旅に兼田君も誘っただろう。それをしなかったということは、私はやはりあまり奏多の話に乗り気ではないんだ。そんな風に自分を俯瞰して眺めていた。
まあ、何事もなければなかったで、楽しい旅だったと言って帰ることもできるわけだし、今は久々の遠出を楽しんだ方がいいのだろう、と気を使ってさっきから喋り続けている奏多を見て思った。
2時間半ほどで電車は終点の海沿いの駅に到着した。
海水浴客と思われる、派手なTシャツを着た人々と一緒の流れに乗って車両を降りると、磯の香りが鼻を抜けた。
「うみー」
奏多が伸びをしながら言った。
「めっちゃ、海だねー」
私も水平線を見つめながら言った。
他の海水浴客のように砂浜に降りることはなく、私たちは海を眺めながらベンチで次の列車を待つことにした。奏多が列車の運行会社のホームページをスマホで確認してくれている間に、私は兼田君に海の写真を撮って送っておいた。すると部活のはずだけれど、休憩なのだろうか『めっちゃ綺麗だね〜! 尾上さんにもよろしく。楽しんできてね!』とすぐに返信が来た。
「えっと、ここからずっと海沿いを走って、午後には県を跨ぐみたい」
電車のダイヤを確認した奏多が顔を上げてそう教えてくれた。
「ほほー、じゃあさ奏多、私その県観光したい。折角初めて行くんだもん」
「そだね! じゃあ一番大きい駅周辺の観光スポット調べてみよっか」
二人とも気分はのほほんと観光モードだ。行き当たりばったりとはいえ、こういう話をしていると本当に普通の旅行をしているようで、どことなくこの旅自体に対する半信半疑なぎこちない空気感が解けていくのを感じた。楽しもう、楽しもう。
次の列車が来て、いよいよ県境を目指す。
隣県の海産物を昼食に食べたり、商店街を見渡してお土産を選んだり。宿泊先は、田舎者二人は流石にネカフェは入ったこともなく怖かったので、ネットで当日入れるビジネスホテルを探して、宿泊することにした。
高校生二人の貧乏旅行だ、コンビニで適当に買ってきたものをつまんで夕食を終え、シャワーを浴びそれぞれベッドに横になった。
家のものではない、いつもと違う天井をぼうっと見ていると、奏多が言った。
「なんか、変な感じ」
「それね、何がとは言わないけど変な感じ」
「千聖と一緒にお泊まりするの、すっごい久しぶり」
奏多が身体をこちらに向けてきた。
「だねー、どうする? 枕でも投げる?」
「それはいいや」
運動神経が悪い奏多らしい返答に思わず吹き出す。
「ですよね」
それから数秒の沈黙の後、奏多が口を開いた。
「……千聖は、彼氏さんのどんなところが好きなの?」
正直、少し意外だった。奏多から兼田君の話題が出てくるとは思っていなかったから。奏多は続けた。
「あの男子は、正直見た目はイマイチだと思うけど、千聖が好きな人だったら、なんか他にもっといいところがあるんだろうなって、思ってさ」
「ははは、イマイチって、失礼だなぁ。ああ見えて結構ずっと見てると可愛いんだよ? そうだな、好きなところかぁ。不器用で小賢しくないって言うのかな? なんか変な勘ぐりとか、キザなところがなくて、一緒にいて楽なんだよね。兼田君といると、私もすごい素で、自然でいられるの。あと、真面目で一途なところも尊敬できる」
奏多は「そっか」「そっか」と噛み締めるように相槌を打った。
「本当に素敵な人なんだね」
「うん、とっても」
私が確かな調子で肯定すると、奏多は大きくため息をついた。
「あーあ、私も彼女作ろうかな!」
奏多が同性を好きになるタイプの女の子だということはこれまでの16年間の関わりでなんとなく察していたので、「がんば」と素直に言った。
「なんだよ千聖、もっと驚いてよ。私の一世一代のカミングアウトだったのに」
同時に、奏多が私のことを特別視している、本当を言うと好きなんじゃないか、っていうのはずっと察していたから、奏多がこうして前を向こうとしていることは素直に応援したいと、そう思えた。
「頑張れ、奏多」
「ふふ、ありがとうね、千聖」
奏多も日々前に進んでいるんだ……そうして気がつくと私たちは眠っていた。何か夢を見た気がするけれど、車窓の景色のように、見えては流れ去り、みんな忘れていった。
7月28日になった。今日は更に県を跨ぎ、地震の影響を確実に受けない地域まで逃避する予定だった。ところが。
「雨だね」
「すーごい土砂降りじゃんね」
ホテル近くのコンビニまで走ってびしょ濡れになりながらビニール傘を確保し、駅まで歩いた。駅構内に入り、切符にハンコを押してもらってホームへ歩いていく。
今日拠点にするところは、とても大きな美術館や博物館がある地域で、レンタサイクルでそれらを回ろうと話していたが、この雨では難しそうだった。隣の県だし大丈夫かも……と思ったがスマホで予報を見ても、隣の県まで傘が風にあおられる一番激しい天気のマークになっていた。
とりあえず目的地には行こうと電車に乗る。予定が乱されてしまった私と奏多は、少しテンションが下がっていた。ボックス席に座り、二人で車窓を眺めたりスマホをいじったり、静かに過ごした。
と、数駅走ったところで電車は辺鄙な田舎の駅に停車して、それからしばらく動かなかった。
「おかしいね」
奏多がそう言って、私は頷いた。
少し待つと、アナウンスが入った。
『この先の線路上で土砂崩れの危険があるため、これより先は運転見合わせとなります。終点の駅まではバスでの振り替え輸送となります。ご希望のお客様は駅を出てすぐ外のバス停留所にてお待ちください。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解をお願い致します。繰り返します……』
中学高校と、徒歩や自転車で学校まで通っていた私たちは、電車が止まるという体験を初めてして結構戸惑った。「え」「どうしよ」とどちらともなく言いながら他の乗客の流れに身を任せて電車を降車し、このような田舎の駅にいても仕方がないから、と振り替え輸送のバスを待つことにした。その時。
その場に居合わせた全員のスマートフォンが一斉にけたたましいアラートを鳴らし始め、ちょっとした悲鳴まで上がった。何事かと急いでスマホを確認すると、私たちの住む県を震源地として地震が起こったことが知らされた。今いる地点も震度2くらい揺れたようだった。
ふと奏多の顔を見ると、何かをぶつぶつ言いながら真っ青な顔をしていた。
奏多の話だと、地震は明日起こるというような話だったはずだ。どういうことだろう。しかし、確かに地震は起こってしまった。奏多の予言が、一日ずれてはいるけれど当たったことになる。まさか、情報の精度はそこまで高くはないけれど、奏多の言っていたことは本当なのかも知れない。と、いうことは私が明日死ぬことも……? 一瞬血の気が引く感覚がした。
しかしなんにせよ、今は地元にいる友人家族、兼田君が心配だ。とりあえず今回の旅のことを知っているお母さんと兼田君に短文でメッセージを送り連絡をとってみる。
それから真っ青な顔をしてスマホの画面を凝視している奏多に声をかける。
「どうしよっか、奏多」
「千聖?」
奏多は私の顔を見て現実に帰ってきたようだった。相当取り乱している様子だが、なんとか冷静に振舞おうと必死に目を泳がせている。
「そうだね、ちょっと怖いけど、でも被災地から離れるにはこのまま進んだ方が旅の趣旨に沿ってるよね」
「ん、確かに……」
どうなんだろう。
隣県まで揺れるほどの大規模な地震が起こっているようだけれど、まだその震度や全容は明らかになっていないし、ひょっとしたら範囲が広いだけでたいしたことない揺れだったかも知れないし、奏多の言う大地震とは別の地震かも知れない。でも、このままここにいてもいいんだろうか。もし明日起こるはずの大震災が今実家で起こっていたとしたら。私だけこんな風に命を守られていていいんだろうか。そもそも私が地元で死ぬことだって、定かなことではないじゃないか。どうなんだろう。
私は、どうすればいいんだろう。
奏多はそのままバスを待とうと言う。しかし、再びアラートが鳴り、今度はここでも身体で感じられるくらい揺れた。スマホでは再び地元を震源とした地震が起こっているようだった。
1回目の地震の情報が更新された。震源地は本当に私たちの地元にほど近いところで、マグニチュードは7、地元の震度は6強だったようだ。かなり大きい地震だ。
それを見ていたら、私は段々自分がこんな風に旅をしていることが馬鹿らしくなってきて、到着した振り替え輸送バスに乗ろうとした奏多の腕を引き止めた。
「奏多、帰ろう」
「千聖?」
「帰ろう。上り列車に乗ろう」
奏多のくっきりとした目元が更に見開かれて、その中の黒目がどうしよう、と言いたげに左右を行ったり来たりとさ迷った。
「え、私の話、信じられなくなった? 一日ズレちゃったから……」
私は首を横に振った。
「私は、地元のみんなが大変な思いをしている時に、こんな風に自分だけ助かるのは嫌だなって思ったの。大変かも知れない。戻ったらそのまま死ぬかもしれない。でも、それも運命として受け入れるしかないのかなって。そう思ったの」
奏多の見開かれた目が潤んでくる。「そんな」とうわごとのように漏らす。その間にバスは私たちを置いて発車してしまった。私は更に続けた。
「ねえ、奏多帰ろう。奏多の気持ちは嬉しかった。でも私はこんな風に特別扱いされるような人間じゃないよ。いいよ、私は予言された運命を受け入れるから。奏多も……」
「嫌だよ!!」
奏多が金切り声のような叫びを上げた。私は思わず半歩下がった。
「千聖が死んで、生き残ったって、私は、私は……それじゃどうなっちゃうの!? 千聖は、私にとって特別なの! 嫌だよ、このままじゃ、千聖が、千聖が……!!」
繋がらない言葉で必死に拒否する奏多。
「千聖がいなくなったら、私はどうしたらいいの!?」
私は叫びながら膝から崩れ落ちた奏多の肩を掴んで揺らした。
「奏多、それは、自分で考えるの! 私を助けるために色々考えてくれたみたいに、奏多の人生は、奏多が自分で考えなきゃいけないの! 私は、奏多のためには生きられないんだから! 私はこんな風に生き延びるよりも、地元で大事な人たちと一緒にいられる方がいい。私は、そっちを選ぶ。奏多は奏多で、自分で選べばいい。そう、それだけの話なんだよ」
私は奏多に背を向けて駅のホームへ歩き始めた。背中にか細い声で「私は、大事じゃないの……」と聞こえてきた。違う。違うの奏多。貴女のこともとても大切なんだよ。だからこうして奏多と生きようとここまで来たんだから。でも、それと同じくらい、兼田君やお母さんや、友人たちが大事だった。それだけのことなんだよ。そう思ったけれど、それは奏多自身が気付かなきゃいけないんだと思って言わなかった。
上り車線のホームで電車を待っていると、奏多がとぼとぼと歩いて来た。でも、私の隣ではなく、3メートルほど離れたところにぼうっと立っていた。
そうして上り列車に乗って、私たちは家路につき始めた。
道中兼田君から返信が届いた。『家の皿が割れまくったけど、なんとか無事。千聖も気を付けて帰って来てね』と来ていた。お母さんからも『店の商品が終わった~!!』と悲痛な叫びのメッセージが写真付きで飛んできていて……でも怪我はないようなのでホっと胸を撫で下ろした。
乗り換えをつつがなく行い、初日に宿泊した宿のある駅を通り過ぎ、また県境近くの海辺の駅まで戻ってきた。依然雨は降り続き、灰色の空から降り注ぐ大きな雨粒が真っ黒な海に吸い込まれていくような感じがとても不気味で異様だった。今日はここで宿を探したほうが良さそう。後方3メートルに立っている奏多に声をかける。
「今夜はこの辺に泊まろうか」
奏多は一瞬顔を上げて私の顔を見て、ばつが悪そうに俯くと、「うん」と小さく返事した。
ところが海辺の旅館は夏休み真っ只中のオンシーズン、どこも満室で宿泊できず、私たちは意を決してラブホテルに宿泊することにした。多分、私服だし、フロントとかも無くみんな機械で部屋を選んで清算までするみたいだから、高校生とはバレないだろう。一番安い部屋を選択して緊張の面持ちで入室した。
部屋の中は思ったより広く、値段はあまり変わらないのにビジネスホテルよりもずっと豪華な感じがした。
「ま、行き当たりばったりの旅だし、こんなこともあるか」
私はそう言って笑いながら、キングサイズと思われる大きなベッドに飛び込んだ。すると、ふかふかの掛け布団が優しく身体を受け止めつつも、奥のマットレスがしっかり衝撃を和らげるのがわかった。なんだかベッドのクオリティもビジネスホテルより良い感じがするな……。
奏多はベッド脇の皮張りの高そうなソファに座って、静かにスマホをいじっていた。
それからお互いほぼ無言で食事とシャワーを済ませ、キングサイズのベッドの端と端に並んで横になった。
明かりを完全に落とすと、窓のない部屋なので本当に一寸先も見えないほど真っ暗だった。なので間接照明をぼんやりと焚き、私はその柔らかな灯りを眺めて眠りがやって来るのを待った。
「千聖」
後方から奏多の声がした。奏多の方を向きなおす。窓の明かりだけの昨日とは違って、間接照明が奏多の顔をよく照らし出していた。「なに、奏多」と努めて優しい声を出して問いかける。
「さっきは、取り乱してごめん」
奏多はやっと私の目を見て、そう言ってくれた。
「んーん、しょうがないよ。実際死ぬとか、怖すぎじゃんね」
そうだ。死なんて、本格的に意識したこともない。ていうか、私たちは死を意識するにはまだ若すぎる。死ぬ覚悟で生きたことも無ければ、自分が明日死ぬなんて本当はまったく信じられない。平和ボケしているかもしれないけれど、明日があれば明後日があるのが当然で、その先も何十年とこの暮らしが続いていくと、漠然と本気で思っている。でも、私はどうやら明日死ぬらしい。だったら、大事な人の傍で死にたいじゃない。大事な人たちに囲まれて、『みんなありがとう~』とか言いながらアホ面して死にたい。その中には、もちろん……。
「奏多。私が死ぬときは、絶対傍にいてね」
「そんなこと……」
「わかんないけどね。奏多予報がはずれることを祈るばかりだわ」
私がそう言いながらヘラヘラ笑うと、奏多は目に一杯涙を溜めながら一緒に笑った。
*****
7月29日。いよいよ私が死ぬと予言されているエックスデーだ。相変わらず雨が降り続いている。私たちは半分こずつお金を出して精算を終えると、ホテルを後にしてまた海沿いの駅へ歩き出した。傘をさして、着替えやスキンケアや日用品が詰まった重いバックパックを背負って、という家路は少し重苦しい雰囲気だった。隣の奏多は私の身辺に異常がないか意識を尖らせているのか、私の半歩前をやたらキョロキョロしながら歩いている。
来た時のように海を見る暇もなく、時刻通りにやってきた電車に乗り込む。あとは最寄駅で降りて歩いて帰るだけだ。
「地元、どうなってるのかな」
私がなんとなくそう言うと奏多は窓の外を眺めながら、「わからないね……家とか壊れたとは聞いてないけど」と心配そうに目を伏せた。
「奏多の家はできて数年だし、大丈夫だよきっと」
「だからだよ、新築なのにヒビとか入ったら目も当てられないよ」
「あー」と私はなんとなく納得した。新築には新築なりの心配があるんだな。
と、そこで再びスマホの防災アラートが鳴り始めた。昨日から数えて何度目になるだろうか。寝ている最中も鳴るからもう数えるのもやめてしまった。
「余震、続いてるね」
奏多の顔色が悪い。
私は奏多の手を握って、体温を伝える。
「大丈夫だよ。ちゃんと家に帰れるよ。電車だってちゃんと走ってるんだしさ」
「そう、だね」
ところが電車は私たちの最寄駅の手前で急停車してしまう。それもそうだ。今まで余震が続く中、逆に止まらなかったのが不思議なくらいだ。最寄駅の一つ手前で降ろされてしまった。一つ手前とはいえ、私たちの住む田舎では一駅歩くと言ったら1時間は覚悟しなければいけない。なんとか両親に迎えに来てもらえないか、お互い連絡をしてみた。
すると、奏多の母、加奈子さんが来られるということなので、私達は駅前で待つことにした。奏多が伸びてTシャツの裾からおへそを覗かせながら言った。
「なんか、思ったよりあっさり終わるんだね、旅って」
私は深く頷きながら「ねー」と言った。旅は計画する段階が一番楽しいというのは本当かも知れないな。それから、初日の海の幸が最高だったとか、あの日が旅のピークだとか二人で勝手に旅の思い出の評価をし合って過ごした。
「でも、色々あったけどさ。楽しかったわ。ありがと、奏多」
奏多は静かに頷いた。
「私も、兼田君の話も聞けて安心できたし、よかったよ」
私の死を回避するという当初の殺伐とした目的はなんだったのか、私たちは極めて穏やかな雰囲気で迎えが来るまでの間を過ごした。まるで、もう私の死の運命は回避したかのような、そんな安堵感すら漂っていた。
加奈子さんの運転する軽自動車が着いて、さて送迎用の駐車場まで歩こうと立ち上がると、兼田君からメッセージが届いた。奏多が何かを言いながら歩いているが先にメッセージを確認しないとと思いよく聞こえなかった。歩きスマホは危ないと思いながらも手短に済まそうと、横断歩道を渡りながら何の気なしに開く。
『土砂崩れ ヤバイ 今までありがとう』
え?
どのくらい立ち止まっていただろう、多分2秒とか、そのくらい。顔を上げると、相変わらず前を歩いていた奏多が叫びながらこちらを振り向いて走ってきている。奏多の叫び声。『左に曲がります、ご注意ください』『左に曲がります、ご注意ください』『左に曲がります、ご注意ください』とトラックが曲がる時に鳴る音声が右耳にやけに近くに聞こえる。そしてつんざくようなクラクションの音。耳の情報だけがやたら多い。うるさいなぁ、もう。
そう思ってクラクションのする方を見やる。
奏多、何を言っているの。クラクションが大きくて聞こえないよ。
ああ、兼田君、せめてあなただけは。
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