バピカーン
枝林 志忠(えだばやし しただ)
第1話 雲
「雲の上に行けば会えるのでしょうか?」
私がちょうどその人に会ったのは空が曇っていたときでしたね。
今にも雨が降りそうでしたね。
最初は何を言ってるのかよく分からなかったんですよ。
私が返答に困っていると、また、その人は話しかけてきたんですね。
「雲の上に行けば会えるのでしょうか?」ってね。
多分、自分にとって大事な人がお亡くなりになったとか、何かしら気に病むことがあったんじゃないでしょうかね。
「会えるんじゃないですか?」って私言ったんですよ、そしたらね、ビックリしちゃいました。
その人「そうですか……。それじゃ行ってきます。」と言った後に、急に宙に浮かんでいって、霧のように消えちゃったんですよ。
え?何言ってるか分からない?
まあ、そんなもんですよね。
実は私も最近気に病むことがありましてね。
いえ、相談に乗って欲しいとかじゃないんですよ。聞きたいことがありましてね。
「雲の上に行けば会えるのでしょうか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます