額心変

@aimitumasa

第1話 友人に催眠をかけたら最終的にめちゃカワな女に変わっていった件

 これはとある早春の時の話。


「ん?なんだこの怪しいメール…」


俺のメール欄にはいかにも怪しい詐欺メールのようなものが一通届いていた。


「あなたの欲望をかなえます!

 催眠術カンパニーより…」


いつもなら怪しくてスルーしてしまうようなメールだが、気が付いた時には本文をじっくりと読んでいた。


「いかんいかん!こんなメール早く消さないと…」


そう思っているのだが体がうまくいうことを聞かない。

それどころかメールに張られたリンクをそっと押していた。

そこのリンク先には、まるでモンスターエナジーに書いてありそうなラテン文字?で何やら呪文のようなものが書いてあり

だいたい要約するとこのような内容だった。


yuo yao kalimes,kalimet kalimet と催眠相手の前で唱えた後、催眠内容を言う…

よくアニメなんかでてきそうな呪文だ。


「なんじゃこりゃ、こんなことが書いてるだけかよ…」


その時ちょうど暇を持て余した友人、【[[rb:斎藤翔 > さいとうかける]]】がこっちにきた。


「おいなにみてんだ[[rb:英 > ひで]]?」


「ああ、怪しい迷惑メールが来てね。なんでも催眠術のやり方だそうだ」


「マジwwちょっとどんなのか言ってみろよww」

どんなことを言ってやろうか。少し間を開けた後、呪文を唱えた。


「yuo yao kalimes,kalimet kalimet... 清潔感満載の可愛いらしい感じの女の子になっちゃえ~!

 …てあれ?」



翔のようすがおかしい。まるで洋服店の無機質なマネキンのような、死んだ魚のような...魂がないというか...


「おい!大丈夫か?翔!」


「...ん?いや大丈夫だ。ちょっとぼ~としていただけだ!

 それにしても呪文を唱えるとか、まるで魔法少女アニメだよねw」

「やっぱお前もそう思うよなw」


そんなことを言い合いながらお互い笑いあった。しかしこれが【男の翔】との最後の会話だとは夢にも思わなかった...


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二日目


「おはよう英!」


「おはよう!...っあれ?」


俺は少し沈黙してしまった。

目の前にいるのは友人の翔なのだが、様子が少し違う。

昨日まで金髪に染め上げていた髪の毛は黒色になっており、なにやらほんのり甘いはちみつのような…

そんな女子高生のようなにおいをまとっていた。


「…お前なんかいいにおいがするな,,,,髪色も変わっているし,,,,」

「そう?実は姉ちゃんのシャンプーを使ってみてな

 髪も黒のほうが清潔感あるだろ?」


少し恥ずかしそうにしながら話す翔。その姿はどこかいやらしかった。


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四日目


「ねぇねぇ、オレにもその話きかせてくれよ」


そう女子達に声をかける翔。


俺は少し目を疑った。


翔は昔から結構チャラい性格をしているものの

女子と話すとなると緊張してしまうのか顔を赤らめまともに話せたものではなかった。

そんな彼が女子の会話に入り、楽しそうにしているのだ。


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二十三日目


「翔ちゃん、最近めっちゃかわいいよねー」


「そうそう、ちょっとナチュメするだけでもだいぶ印象って変わるんだね♡」


「えへへ、僕そんなにかわいいかな~」


今日も翔は女子たちとおしゃべりしている。

最近は化粧をしてくる回数が増えており、肌のツヤが数十日前とは比べ物にならないくらい綺麗になっている。


俺はあることを確信した。あの時唱えた催眠の呪文のせいだ。


ーしかし、俺には彼を元の普通の男に戻すきはない。


あんなに可愛らしい子になったんだから、もっともっと可愛らしくなってもらわないと…


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七十日後


「おはよう、英くん!」

「おはよう[[rb:翔 > かける]]」

「もう英くん!ボクのことは[[rb:翔 > しょう]]って呼んでっていたでしょ!

 意地悪しないでよ!」

「悪い悪い謝るよ…」


ぷんすことほほを膨らませる翔。

翔はあれからまた一段と女性らしくなっていた。


髪はツヤがあるロングへやーになり、頭にはリボンが飾られた可愛らしいピンクのカチューシャを付けている。


服装は可愛らしいく綺麗な制服。


清潔感がある可愛らしい女の子になった。


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一年後


木の葉が美しく散っていくとき。


俺は教室に入るとなにやら違和感があることに気づいた。


男子たちはこちらとあまり顔を合わせようとせず、女子たちはにやけた顔を抑えられずにいた。


そんな中、翔は顔を赤らめこちらを見ている。


恥ずかしいのか、もじもじしながら徒歩徒歩と歩いてきた。


そしてスピードを少し早めたと思ったら、気が付いたときには俺の唇には


甘くぷにぷにとした感触が伝わってきた。


「英くん...わたしとお付き合いしてください...」


小さく美しい綺麗な涙を抑えながら、翔は言った。


俺は少し戸惑ったが、すでに答えなんてわかりきっていた。


「あぁ、こちらこそよろしく」


俺がその言葉を言った瞬間、教室からはとてもおおきな祝福の拍手が俺たちを包んでいた。


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??年後…


俺は翔に告白され恋人になった後、晴れ晴れしく結婚した。


いまでは可愛らしい赤子二人を育てている素晴らしい女性であり、俺のかけがえのない大切な妻になった。


「ねぇあなた」


「なんだい?」


「私、可愛らしい子供といとおしい夫に囲まれ生活できてとても幸せ♡」


「俺もどうかんだ」


「子供たちが寝静まったらいっしょに…ね♡」


「まったく、おまえは本当にすきだな」


「ふふふ、あなただって好きなくせに♡」


そんなことを言いながら泣き始めた子供たちあやしていた。

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