第22話 ラルフ2
セレスティーヌがしばらく学園を休むとクリスに聞いた。
セレスティーヌを思いブーケと菓子を贈る
少しでも気が安らんでくれれば良いけどな
それからしばらくして、セレスティーヌに会いに行った。
喜んでくれているようで、色々と調べた甲斐があった…
庭が見渡せるテラスでお茶をしようと誘われ心が踊る。
バイエ邸の庭は国から出る前にセレスティーヌと最後に会って以来だった
懐かしいな…ここは変わらないと思い席に着くとセレスティーヌが席を立ち頭を下げる
再会したばかりで迷惑をかけた、と。
再会できた事、サロモンとの婚約が解消された事が分かり迷惑どころか……
「庭を案内してくれる?」
セレスティーヌは覚えていないのかな…
王弟殿下は身長が高いのですね…
そんな呼び方をして欲しくない
噴水の前に着き、セレスティーヌの様子が変わる、もしかして……
「昔セレスは私の事をラルフお兄様と呼んでいた」
それとなく伝えてみると、真っ赤な顔をした
なんだ、昔と何も変わってないな、セレスティーヌはセレスティーヌだ
「会いに来たよ、ただいま」
「おかえりなさい」
と返ってきた…
思い出してくれた事も嬉しいが、セレスティーヌにおかえりと言われた事が嬉しくて嬉しくてしょうがなかった…
年末の夜会のパートナーに誘ってみると、
なんとか良い返事が貰えた。
セレスティーヌと夜会に出る歳になったんだな…帰ってきてよかったと思った
その後バイエ夫人に、セレスティーヌを夜会に誘った、ドレスをプレゼントしたい。
仕立て屋にセレスティーヌのサイズを教えて欲しいと頼み込みドレスを急ぎ仕立てる事にした。
ドレスの生地は他国で買ったものだ。
もしセレスティーヌが覚えていてくれたらプレゼントしたいと思った。
自分の瞳の色の生地だ。その身に纏ってくれるか?
お土産というのには高価すぎるのかも知れないが、それに合うアクセサリーも買ってあった。タイミング良く、プレゼントする事が出来る幸運に感謝した。
王宮御用達の仕立て屋に急ぎ作らせたドレスは見事なものだった。
このドレスをセレスティーヌが着てくれたのなら、もう迷うのはやめよう…
自分の気持ちをセレスティーヌに伝えようと決めた
その後ドレスへのお礼の手紙が届いた。
このドレスを着て早く会いたい。と書かれていた事に胸が熱くなった。
セレスティーヌも同じ気持ちでいてくれるのか…
セレスティーヌがドレスに酒をかけられ、泣いて詫びてきた。
セレスティーヌはもちろん悪くない。
私からのプレゼントのドレスを着て浮かれていたと言われ、もう自分を制する事が出来なかった。
婚約して欲しいとセレスティーヌに申し込んだら、わたくしでよければ…と手を取ってくれた。
やっとだ!
セレスティーヌの白い柔らかい頬にキスをする。
はにかみながらも微笑んでくれた
たまらずに、昔のように口に触れるような軽い口付けをした。
もう絶対にセレスティーヌと離れないと心に誓った
….まてよ、婚約していた期間が長いんだ、サロモンとキスしていたのでは?
返答によってはサロモンへの態度が変わりそうだ!
聞きたくはないがセレスティーヌにサロモンとキスしたかと聞いてみると
「ない!」
と言う返事が返ってきて、ほっとした…
子爵令嬢がセレスティーヌに行った悪行について両陛下から話があった。
セレスティーヌが自分とサロモンの婚約解消に子爵令嬢を巻き込んでしまったのだ!
悪いのは自分だ!と両陛下に言う。
甘いっ!
セレスティーヌは皆に言われた。
そもそもはサロモンが原因なのに…
涙を流しながら懇願するセレスティーヌに負けて、私も同じく陛下に頼むことにした。
王族が関わっているにも関わらず、子爵家は降格という激甘判決となった。
貴族社会ではもうやっていけないだろう。
その後子爵が爵位の返上を申し出たとの事だ
サロモンも反省をしているようで、高い授業料となった。
その後サロモンは両陛下監視の元、厳しく躾けなおされている。兄であるエドワールはサロモンに殊更厳しくしているとの事だ。
王族として恥ずかしいと一族から、冷たい目で見られ、卒業後は臣下に降るとの事だ。
バカでかわいい甥を持つと大変だ
セレスティーヌはその後巻き込んだ子爵令嬢への慰謝料として、今までサロモンから貰ったと言うプレゼントを換金して渡すように! と言いサロモンに返したと言った。
それに私のプレゼントの前では霞んでしまうなどと可愛い返答に、また恋に落ちた……
その子爵令嬢とやらに、少しは感謝をしているので、その後の生活がうまくいくように密かに手を回した….これは皆には内緒だ…
セレスティーヌが、自分のせいで、子爵令嬢の家が不幸になるのは嫌だと言う……
本来なら関わりたくないのだが….
セレスティーヌの願いは叶えてやりたい
その後商売が上手くいっているようで、ホッとした…
セレスティーヌが公爵家に花嫁修行へ来た。
邸の者は皆セレスティーヌを歓迎した。
覚えも早く、一生懸命で愛らしいセレスティーヌを皆慕っているとの事だ。
本当にサロモンはバカなんだな…
見る目がないのか!と呆れた
王宮で小さな頃から教育されていたと言うので、マナーも完璧だ。
そんなセレスティーヌは私と二人でいる時は年頃の娘らしく可愛くてギャップが堪らない
月日が経ちようやくセレスティーヌと結婚式を迎える事が出来た。
セレスティーヌのドレスは国の伝統的なレースをあしらったもので、セレスティーヌが着ると、それはそれは美しく、隣に立つのが躊躇うほどであった。
可愛いセレスティーヌ、私の一生をかけて愛すると誓う。
それが私のセレスティーヌへの愛のカタチだ
【完】
真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬申し上げます、婚約解消いたしましょう さこの @sa-k
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