心を閉ざした陰キャオタクな俺が、金髪美少女と出会い学年一のイケメンになり恋をした話。
こげたま
第一話 彼女との出会い
-5月某日-
「ねぇ……陰キャオタク君……君は君自身を試しに変えてみる?」
「変えるって何を……?」
「んー……秘密!! 詳しくはボクと仲良くなってから話すよ……」
と少女は訳分からない言葉を言い残して、俺がぼっーとしていた隙に消えてしまった。
「忍者かよ……ったく……よく分からねぇ奴だな……」
流派が甲賀か、いや、伊賀の可能性もあるな。とりかく隠密性能に全振りしているのは間違いないだろう。
俺は地面に顔を向けながら誰に話している訳でも無く言葉を言い放った。
そう、彼女は背丈は小さいが学年首位の成績を持ち、男女問わずみんなに好かれ、クラス内では圧倒的な信頼感をもつ存在だ。
入学してまだ1ヶ月しか経っていないのにも関わらず彼女はすぐに周りと打ち解けている。俺とは全く持って正反対だ……
飽くまで、彼女の情報は小耳に挟んだ内容だが、確かそうだったはず……
名を星川遥という。
あまり、人の顔を覚えるのは得意ではないが彼女は目鼻立ちがとても整っている。
しかも、華奢で且つ金髪ロング。また、透き通った綺麗な青い瞳をしている。
他の女子と比べても、極めて美人な方だろう。
学年一の美少女と言っても過言ではない。
聞いた噂だが、アメリカから当学院西條学院に4月から入学したそうだ。
西條学院は進学校で、トップの進学実績を誇っている。
俗に入ってしまえば将来は安定した人生を歩める学校だとも世間では言われている。
つまり、それぞれの生徒が強者揃いということだ……
まあ、彼女星川は何でも日本語を学びたいと言った理由で来たそうだが……
その上、生徒会長もやっているため生徒全員からも定評がある。悔しいが色々とズルい奴だ。
きっと神様に賄賂をいっぱい渡しているだろうね。って、神様への賄賂ってなんだろう。
――因みに、俺は、彼女と特に知り合いだった訳ではないが、彼女は良く知っているようだ。
彼女と出会った記憶もないし、話しかけてきたのも謎だが、まあ…気にしないことにしよう。
「というかアイツが勝手に話しかけてきただけなんだがな……はぁ……早く学校終わらねぇかな、さっさと帰宅してゲームでもするか」
そう、俺が学校にいることなんて意味など無いのだ。周りからは毛嫌いされ、白い目で見られる。
しかし、そんな中でもゲームではそれなりに強い。
俺は文句を吐き捨てながら教室に戻った。
ちなみに、紹介し忘れたが俺は雛沢優。
成績は割と良い方だ。
上から数えて2番目ぐらいかな。
トップになれないのは星川がいるからだ。
但し、星川並に比べたら、取り立てて友達がいる訳ではない。
現実リアルではクラス内でも幽霊のような存在。
髪は短いが、視力が悪いせいで眼鏡をかけている。
周りからはキモいとかオタクだとか根暗だとか言われていて、自分の存在は空気そのものである。
小学校、中学校に渡り、酷い虐めにあい、今までろくな人生を歩んですらいなかったのだ。
自分が人に利用されたことが多かったり、裏切られたことから、いつしか人と関わること自体もやめた。
また、自分が傷つくのが嫌だから、それ以来、人と話すのは辞めてしまった。
心の奥底では、自分自身を変えたいとは思っている。
ただ、大好きだった親友に言われた一言で酷く傷つき、今でも傷が癒えていない……
「俺も前みたいに明るくなれるかな……」と言葉を吐き捨てまた学校に向かった。
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