第4話 学校出

 克俊は、メキシコ五輪の翌年に中学を卒業し、群馬県渋川から上京した。最初に就いた仕事は東十条のクリーニング店の住み込み店員だったが、夏場に40度を超える厳しい労働に音を上げて、21歳の時に逃げるようにして世田谷の下馬に住む長兄の家に身を寄せた。再就職した碑文谷の町工場では共産党に入党するように勧められたが、「学校出」の人が少なく気が楽だという理由で創価学会に入った。「支部にきちんと意見を上げてくれる」と、今での仲間の信頼は厚い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る