人狼ゲーム

Ryuu65

死民よキタレ

 頭痛により目を覚ました俺は、天井がいつもと違うことに気づいた。

頭を抱えながら体を起こすと、が自分の部屋でない事にも気づく。

部屋にはベットとチェストだけ。他にはないもない。

 状況を把握すべくこの家に何があるのかを探すため扉を開ける。


扉を開けると真ん中にスピーカーのついた大きなテーブルと複数のイス、なかなか現実では拝めない首吊りの処刑台があった。

つまりこの一軒家に部屋は一つしかない。


「どういうことだ?」

 他にも家は何件かあるが、それ以外は柵で囲われていて辺り一面草原だ。

丁度同じタイミングですべての一軒家から人が出てきた。

皆俺と同じような歳で、俺と同じようにこの状況を理解できていないようだ。


『集まりましたね。では皆さん、目の前にあるイスに座ってください』

突然テーブルの上のスピーカーからそんな声が聞こえ、俺も含めて皆言われるがままイスに座る。

『この状況が分かっていない人がほとんどだと思います。そのため簡単に説明しますと……デスゲームです』

その一言に、全てがどよめく。

そんな訳あるかと思っていても、それを受け入れなければなぜ自分がにいるのか、どうするのか等の様々な悩みをその一言を受け入れなければ、気が狂いそうだった。


『と言っても謎解きとか仕掛けとかのデスゲームじゃないです。ただの人狼ゲーム』

人狼ゲーム?そう心の中で聞き返す。

『一度くらいはやったことがあるでしょう?それを十回やって生き残った者が元の居場所に帰れるというわけです』

俺たちの知っている人狼ゲームをリアルでやるって事か?てことは────⁉

「絶対に死ぬ奴が出てくるって事じゃねえか!」

『その通りです。だかから頑張ってください。今のあなたたちじゃ何もできないいわゆる市民。自分が寝ていた部屋にチェストがあるはずです。その中に自分の役職と必要なものが入ってますからね』

こいつは本当に人狼をやるつもりなのか…。


 自分の役職が何なのか、皆自分の寝ていた家へと戻っていく。

頼むから!頼むから人狼は引かないでくれ!

『あ、そうそう。役職に必要な道具は持ってこないでくださいね?』

付け足しの言葉を聞いて扉を開けた。

 俺の役職は…………市民!

特に道具もなくやることもない。だがどうしよう?

自分が白だと言えば人狼に狙われ黒だと言えば吊られる。

最初に人狼が狙うのは占い師というのが基本だ。ならば白と言うべきか……。


『確認は終わりました?では戻って座ってください。一回戦を始めます』

「では僭越せんえつながら僕、ユウタが進行をやらせていただきます」

『役職は、市民四人・占い師一人・狂人一人・騎士一人・怪盗一人・人狼二人となっています。それでは一回戦……開始!』

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人狼ゲーム Ryuu65 @saikounasekai

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